【FAMレポート】米国建国250周年だけじゃない、2026年フィラデルフィアが注目の理由

  • 2025年6月27日

 独立宣言が採択されたアメリカ合衆国誕生の地「フィラデルフィア」(ペンシルバニア州)とアメリカ最初の入植地ジェームズタウンを擁する「バージニア州」という、米国の歴史上の重要な場所を巡ってきた。2026年の米国建国250周年の注目エリアなだけでなく、街歩きの楽しさやアート、グルメなど旅先としての魅力に驚かされたFAMレポートを2回に分けてお届けする。まずは、フィラデルフィア編。

(左から)圧倒される数の名作「バーンズ財団」、荘重な市庁舎、ロッキーの像と「フィラデルフィア美術館」

歴史的建物と摩天楼が並ぶ街歩きしやすい街

ウィリアム・ペンが街を見守るように立つ市庁舎とフォーシーズンズホテルも入る真新しい「コムキャストタワー」

 フィラデルフィアは、日本からの直行便はないが、アメリカ各都市からフィラデルフィア国際空港への飛行便は数多い。空港から市内へは空港鉄道(SEPTA)で約20分、タクシーで約15分だ。また、鉄道(アムトラック)を利用してニューヨークから約1時間半、ワシントンDCから約2時間という距離でもある。

 市の中心にある市庁舎(1871-1901年造、国定歴史建造物)の上からペンシルバニア植民地を築いたウィリアム・ペンの像が今も街を見守る。1986年までは紳士協定によって市の最も高い建物だったが、今はコムキャスト社の本社ビルである「コムキャストセンター」など高層ビルが立ち並び、その摩天楼ぶりに驚かされる。

世界的に有名なロバート・インディアナの彫刻LOVEと自由の象徴リバティベル

 市の中心部にある公園「ラブ・パーク」(ロバート・インディアナのLOVEの彫刻が建つ)から、北西へはベンジャミンパークウェイが伸びて、ロッキーが駆け上がった階段「ロッキーステップ」のある「フィラデル美術館」などアートと自然いっぱいのフェアモント公園がある。南東に行けばアメリカの独立宣言と合衆国憲法が署名された独立記念館や自由の鐘が展示された「リバティベルセンター」がある。ともに車だと10分程度、歩いても20〜30分。碁盤目に整備され、とても歩きやすい街だ。

 アメリカの都市部でのコロナ禍で生まれた格差や違法薬物の問題などで、治安が悪いのではないかという話をSNSなどで見聞きしたが、実際に訪れてみると市内観光地の歩きやすさやビジネスの発展ぶりに驚かされた。歴史的な側面だけではなく、アート・グルメ・スポーツなどいろんな面で観光要素が豊富である。

2026年、フィラデルフィアが注目の3つ理由

 フィラデルフィアで注目なのが、まずは、2026年7月4日のアメリカ合衆国建国250周年に向けて2026年春からコンサートやパレード、アートフェア、花火大会などのイベントが目白押しなこと。市内を巡るにあたり、広々した独立記念館ビジターセンターがリバティベルセンターや独立記念館のすぐそばにあって便利だ。

 市内28カ所の停留所で乗り降り自由、観光スポットを循環できる2階建バス「ホップオン・ホップオフ」の昼ツアーもすぐ近くの停留所から始まる(昼ツアー:市内中心部大人1日39ドル。フェアモント公園含む全域大人1日55ドル)。

「ホップオン・ホップオフ」ツアーで。美しいレンガ造の建物は1774年に大陸会議が開かれた「カーペンターズホール」

 また、日本でも人気のロッキー映画、最初の『ロッキー』(1976年11月公開)から2026年は50年。12月3日は「ロッキー・デー」とされていて、市をあげてロッキーフェストというイベントを開催。来年を待たず、今年も盛り上がるそう。

 もう一つは、フィラデルフィアが2026年に開催される「2026 FIFAワールドカップ」の主要会場の一つであること。6万9000人を収容できるフィラデルフィア・スタジアムでは、グループリーグの5試合、アメリカ独立記念日の7月4日に行われるベスト16の試合が開催される。また、7月29日の決勝が開催されるニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムからもフィラデルフィアは近いため、宿泊地としても賑わいそうだ。

宿泊した「ウィンザー・スイーツ・フィラデルフィア」は市庁舎から近く、キッチン、バスタブ付きで便利。