次の10年を見据えた訪米促進策、ブランドUSAがIPWでグローバル戦略発表
米国の公式観光マーケティング機関ブランドUSAは、訪米旅行需要の再活性化を目的とする新たなグローバル戦略を、同国旅行業界最大の見本市IPWにて発表した。今後10年にわたる国際的イベントを見据え、広告キャンペーンとデジタル体験を融合させた取り組みを始動する。
中心となるのは、8月より開始する一般消費者向けの新キャンペーン「アメリカ・ザ・ビューティフル」。米国各地の多様性や人々の温かさを視覚的に表現し、旅行者の感情に訴えることでアメリカ旅行の再興を図る。
併せて公開された専用サイト「AmericaTheBeautiful.com」では、旅行者の関心に応じた旅程をAIが提案するパーソナライズ機能を搭載し、デジタルとデータに基づいた戦略的アプローチを採用している。ブランドUSAはこの新基盤を通じて、旅行者との新たな接点を構築し、訪米行動への転換を促進するとしている。
また、米国建国250周年記念事業「America250」や、ワールドカップ、オリンピック、ルート66制定100周年など、今後10年に予定される大型国際イベントに合わせ、観光促進の新たな契機と位置付けている。特に2026年には、全米50州で記念事業が展開されるほか、象徴的なハイウェイであるルート66を舞台に各地で地域文化を称えるイベントも実施される予定だ。
すでにブランドUSAの活動により、2024会計年度には訪米旅行者数が160万人増加し、約60億ドルの旅行消費が生まれた。世界262空港から米国84空港へ直行便が拡大する中、日本を含む主要市場でも訪米意欲が回復傾向にあるという。