JTB総研がZ世代の旅行観を調査、「タイパ」「ひとり時間」「SNS映え」などがキーワードに
JTB総合研究所は、Z世代(18~29歳)のライフスタイルと旅行に関する調査結果を発表した。本調査は、今後の消費の中核を担うZ世代に焦点を当て、その特徴からサービスや商品を提供する上でのポイントを探ることを目的としている。
調査結果によると、Z世代は男女で異なる価値観を持つことが明らかになった。男性は自分の趣味や得意分野の追求に強い意欲を持ち、時間もお金も趣味に費やす傾向が強い。一方、女性はありのままの自分を認め、自己実現を求める傾向があり、自身の体験を記録し残すことを重視するという。時間の使い方においては、女性はタイムパフォーマンス(タイパ)を重視し、効率的な行動を積極的に取り入れるとの傾向が見られた。
普段の生活で参考にしている情報は、男女ともに「家族・友人・知人の話」が最も多く、次いで「著名人・有名人・インフルエンサーなどによるSNSへの投稿」が多く、マスメディアよりも身近な人からの情報やSNSを信頼する傾向が強い結果となった。旅行に関しては、男性は「ひとりだけの時間を楽しみたい」、女性は「普段の生活から離れてリフレッシュしたい」というニーズが高く、特徴として、好きな旅行スタイルでは男女共通で「SNS映えする場所を巡る」が他世代よりも高くなっている。
また、旅を表す一言として、男性は「趣味」「自然」「非現実な体験」、女性は「思い出づくり」「ご褒美」が全体と比較し高い傾向を示した。これらの結果から、Z世代男性を旅へと向かわせるには、いかに「趣味」と「旅」をリンクさせるかが重要で、特定の趣味に特化した誘客や、ゲームやスポーツといった若い男性に人気の分野と旅行を結びつけることが効果的と分析。また、一人旅のニーズが高い一方で、同行者を見つけにくいという課題も考えられるため、旅先でのイベントやツアーを通じて、一人旅同士のマッチングを図ることも一手とした。
一方、Z世代女性はタイパを重視し、旅行先での情報収集や体験においても効率性が求められる。情報提供や体験の場面では、簡単かつシームレスに情報が得られ、体験できることが重要となる。また、自分の体験を記録し発信することで承認欲求を満たす傾向があるため、旅行先で自分だけの工芸品を作るなど、体験を記録として残せるような商品やサービスが鍵となるという。