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タイミー 正社員登用支援サービス開始、既に複数ホテルで導入も

  • 2024年2月26日

 スキマバイトサービスを展開するタイミーは22日、今後の事業戦略と新規事業「タイミーキャリアプラス」に関する説明会を行った。同社は18年8月にスキマバイトサービスを開始。20年4月に全国展開を行い、現在では国内に7支社7営業拠点を構えるなど順調に規模を拡大している。一方で、これまでは面接も履歴書もなく働けるという特徴からワーカー(働き手)の質を懸念する声も多かった。

 これに対し、同社では働いた回数や時間、事業者からのGood率、コメントなどを確認できる仕組みに加え、昨年10月には、調理やフロント、検品、清掃など、ワーカーの"できること"を可視化する「バッチ機能」をリリース。これにより、ワーカー側はタイミー上の実績を履歴書代わりにし、事業者側からも可視化できることでミスマッチの起こりにくい仕組みを構築。同社代表の小川嶺氏は「タイミー上で活躍される方々が優先的にマッチングできるアルゴリズムを作ることによって、(ワーカーの質に対する)懸念も払拭できるフェーズ2に入った」と現状を語った。

Timee
小川嶺氏

 また、直近の変化として、ワーカーの属性はこれまで「若年層」や「学生」が多かったが、最近では「40代~50代」「会社員」の利用が増えていると明かした。現在、サービスの導入事業者は98,000社、ワーカー数は21年の228万人から約3.1倍の700万人に達している。

 そんな成長著しい同サービスで、特に利用拡大が進むのがホテル業界だ。サービス開始当初は飲食業界でのサービス展開が中心だったが、コロナによる影響を受けホテル、物流、農業など業界の多角化を図ってきた。23年のホテル業界での募集人数は前年比で約5.9倍を記録。小川氏は「インバウンドにより需要は増える一方で、人手不足で稼働率を上げられない状況があった。これまでのタイミーの活用例は定員より足りない人手を補うためのものだったが、ホテル業界ではタイミーを使うことで売り上げを伸ばせるという"攻めの利用"の部分を訴求できた」と説明した。

 スキマバイトのような所謂スポットワーク事業へは、リクルート、パーソル、LINEなど様々な企業が参入しており、直近では昨年11月にフリマアプリ大手メルカリが同事業への参入を発表。小川氏は「これまでの採用市場は、面接をして採用の可否を判断するという企業側目線だったが、労働者不足を背景に、働きたい時に働けるというワーカー目線のサービスがフィットしているのではないか」と分析、「様々な競合サービスが出てきており、マーケットの盛り上げりが出てきた」と述べた。今年2月に実施されたスキマバイトアプリサービスの実態調査では、タイミーが利用率の1位となるなど業界のトップを走る同社が今回発表した新規事業が、正社員としての長期就業を支援する「タイミーキャリアプラス」だ。

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