年間集客20万人、単なるウォーキングツアー?「街道歩き」が人気の理由とは-旅人企画 永島孝志氏

-今後の展望があれば教えてください。

永島 2024年は東海道五十三次最後の宿場ができて400周年で、箱根駅伝も100回目の節目。何かのブームに乗っかって販売するのが一番簡単な方法かと思っていて、大河の影響で家康ブームもありますし話題に沿った提案をしていこうと考えています。

 あとは、今年の春はコロナ5類移行初めて迎える開放された春になります。これまではツアーを売るにしても色々な制約があった訳ですが、長らく辛抱したお客さんもこの春は何かやりたいと感じているはずだと思いますし、この春に向けて色々な提案ができれば新規のお客さんの獲得ができると感じています。

deelites
箱根関所
-インバウンドも取り扱い始めたとお聞きしました。

永島 はい、昨年からインバウンド手配も対応開始しました。長らくインバウンドがストップしていたこともり、新たに日本での取引先を探しているのではと考えています。実際に、以前中山道の視察中に豪州の旅行会社の方にお声掛けいただいたことがあって、「取り引きしていた会社がコロナで廃業した」とのことで依頼をいただきました。

 そのため帯同するガイドは英語はもちろん、フランス語などにも対応できるようになっています。

-インバウンドでも街道歩きが人気なんですね。

永島 英国の旅行会社からは日本でのウォーキングツアーは熊野古道や木曽路が人気とお伺いしました。やはり日本の原風景や文化、自然がいっぱいの場所で体験を行うということが受けるのではと思います。そういった意味では、このような体験型商品を地域でどう作っていくかが早急に求められていることかもしれません。

-最後に読者にメッセージがあればお願いします。

永島 バブル崩壊からこれまで長らく値段を上げない状況が続きましたが、円安物価高、法律改正でバス代が上がるなど、同じ内容の仕入れでも旅行代金は上がる状況になっています。そんななかで「安く売ろう」はもう叶いません。今後は高価でも楽しいものを提供するということが絶対に求められますが、そんな経験が今までなかったので戸惑いもあるかと思います。実際、我々の街道歩きも決して安くはないが、感動を武器にすることによりリピートに繋がるし、ニーズさえマッチすれば小規模でも大規模でも対応が可能です。

 コロナで一気に常識が変わった今こそ新しいものが求められていて、私も新しいことが好きでチャレンジをたくさんしたいと思っていますので、是非皆さんとも新しい提案や相談をしていけると嬉しく思います。