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業界ニュースを振り返る ー JTBは人数を減らす?増やす?

  • 2023年4月8日

 今週のランキングはJTBの入社式の記事でした。皆さんのコメントを見ると「この時期の旅行会社に入ってくれてありがとう」というのが一番主たる感想のようです。

 コロナ前と比べると多少減ったとはいえど、370名というのはかなりの人数です。そんなにも多くの学生がこのご時世に旅行業界に入ろうと決めてくれたわけですから、業界としては非常に喜ばしいことでしょう。

 ただ、個人的に気になるのはJTBはどこかのタイミングで人数を減らさないのだろうか?というところです。コロナの影響がない2018年度でJTBグループの売上高は1兆3674億円、こう書くと流石だなあと思う一方で、営業利益は63億円、当時の従業員数が28,510人らしいので1人あたりの売上高は約4,800万円、営業利益は社員1人あたりなんと約22万しかありません。

 売上や利益はそれ以降コロナの影響が出るので比較はあまり意味がないとして、発表の数値を各年ごとにおってみると、発表タイミングが期初だったり9月だったりしたので数字のズレは多少あると思いますが、2019年が28,208人、2020年は26,231人、2021年が23,785人、2022年で19,510人とコロナ以降はどんどん人数を減らしています。

 これはまあ人情的にはいかがなものかと思えど、まあ仕方がないことであろうということもわかります。なんせコロナで需要がほぼ消滅していたわけですから。ただ、私はてっきりそこから社員1人あたりの利益や売上が高いような企業体質を目指していくものかと思っていました。でも、2019年の新入社員が538人だったことを考えると、今年の370人採用というのはかなり多いようにも思います。それに新入社員というのは入社してからしばらくはほとんど利益に貢献しないでしょうし、なんならコストかもしれません。

 そこまでしてでも投資として新入社員をこれからも採用しつづけるんだと言うのであればそれは素晴らしいことですし。人数を増やしつつ一人あたりの売上や利益を高め、新入社員も育つ環境があるというのであればそれは理想です。でも同時にかなりの難易度でもあろうと思います。それも、コロナ禍で経験豊富な社員も多く辞めたであろう現状を考えると、より難しそうに思えてしまいます。今後JTBの方針としてはどうされるのか、是非一度聞いてみたいところです。