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2023年、観光業界は「再生」するのか、人材不足などの課題も-年頭所感(4)(航空会社)

  • 2023年1月10日

 新型コロナの流行が続くなか、昨年10月11日には入国者数の上限が撤廃され、訪日個人旅行も解禁された。これにより海外旅行にも追い風が吹き、年末年始の海外旅行者も増加。JTBの旅行動向見通し(2022年12月23日~2023年1月3日)では前年比6.5倍の15万人を予測している。国内旅行も全国旅行支援により回復傾向にあり、業界にようやく明るい兆しが見えてきた。

 そうしたなかで迎えた2023年。新型コロナの第8派とインフルエンザの同時流行への懸念はあるものの、引き続き旅行需要の回復に期待がかかる1年となりそうだ。そんななか、海外旅行の動きの鈍さ、観光業界の人手不足などの課題もある。観光業界の団体や大手旅行会社、OTA、航空会社、GDSなどのトップたちは今年をどう見ているのか。毎年恒例の年頭所感では、6回にわたって各分野のトップの年頭所感について、全文掲載する。今回の第4弾では航空会社のトップのものを紹介する。

ANAホールディングス代表取締役社長 芝田浩一氏

ちょうど1年前を振り返ると、第3四半期が8四半期振りに黒字(営業利益)に転じ、片野坂社長(現会長)の年頭の所感には「夜明けは近い」とあります。その後、国内ではコロナの第6波、第7波の感染拡大があったものの、需要は徐々に回復し、22年度上期は3年振りに黒字化を達成する事ができました。足元の業績も順調に推移しており、夜は明けつつあると感じます。これは、これまでANAグループ全体で取り組んで来た事業構造改革や……続きを読む





日本航空代表取締役社長 赤坂祐二氏

昨年は、コロナ禍の長期化や不安定な世界情勢により、航空業界は引き続き厳しい経営環境に置かれました。一方で、入国制限の緩和や、国内においては全国旅行支援などの需要喚起策がとられ、航空業界にもようやく明るい兆しが見えはじめた一年となりました。これまで温かく見守り支えてくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。JALグループは、2021-2025年度 中期経営計画に則り、安全・安心な社会とサステナブルな未来を創る決意……続きを読む





ソラシドエア代表取締役社長 高橋宏輔氏

弊社は、昨年8月に就航20周年を迎えることができました。記念すべき節目を無事に迎えられたのも、長年応援してくださっているお客様や地元の皆さまのおかげであり、改めて皆さまに感謝申し上げます。また、昨年10月には“北海道の翼“株式会社AIRDOとの共同持株会社「リージョナルプラスウイングス」を設立いたしました。今後は、両社の強みを持ち寄り、コロナ禍から地元と共に復活すべく協業に取り組んでまいりますが、両社とも各々……続きを読む





スカイマーク代表取締役社長執行役員 洞駿氏

当社は昨年12月14日、東京証券取引所グロース市場へ株式を上場しました。これもひとえに、ご搭乗いただいたお客様をはじめ皆様方の厚いご支援とご協力の賜物でございます。心より深く感謝申し上げます。 また、「安全確保を前提に、高い運航品質と、シンプルで心のこもったサービスを身近な価格で提供する」ことをビジネスモデルとして取り組んできた結果、昨年は定時運航率5年連続第1位、2022年度JCSI (日本版顧客満足度指数)国内長……続きを読む





デルタ航空日本地区社長 大隅ヴィクター氏

昨年は、日本政府により渡航制限の緩和が発表され、日本市場における海外旅行需要の回復に向けて明るい兆しが見えてきました。  デルタ航空では、コロナ禍の間に前倒しで進めていた米国のハブ空港の改修プロジェクトが節目を迎え、昨年4月にはロサンゼルス空港、5月にはシアトル空港、6月にはニューヨーク・ラガーディア空港に新しい施設をオープンいたしました。デルタ航空をご利用のお客様には、機内のみならず空港でも、便利で……続きを読む





エールフランス航空・KLMオランダ航空 日本・韓国・ニューカレドニア支社長 ボリス・ダルソー氏

この3年間、新型コロナウィルスならびにさまざまな国際情勢が世界の経済活動に影響を及ぼす中、エールフランス航空、KLMオランダ航空は前例のない課題に立ち向かい、日本そして世界を結ぶ航空輸送ネットワークを維持するために定期運航の継続に尽力しました。いよいよ日本においても昨年10月に入国要件が緩和されて以来、2023年には本格的に渡航需要の回復が期待されます。この需要に応えるべく、2023年夏期スケジュールより日本路線ののサービス強化を図ります。定期運航便数の回復に向けてエールフランス航空は羽田発夜便のデイリー運航と午前便の再開、……続きを読む





エミレーツ航空日本支社長 サティシュ・セティ氏

2022年は日本にとって希望、回復、需要加速の年であり、コロナ禍の2年間を経て逆境に立ち向かう日本の回復力を証明しました。昨年エミレーツ航空は、日本と中東を結ぶ最初の航空会社として日本就航20周年を迎え、日本とドバイを結ぶ路線でこれまでに 680万人以上のお客様にご利用いただき、日本における当社の存在感を示す節目の年となりました。当社のオペレーションとサービスにおける安全性を保ちながら、日本の入国制限が緩和され……続きを読む





エバー航空日本支社支社長 陳啓偉氏

2020年第一四半期より弊社も、業界におられる皆様も、渡航禁止、旅行需要の消失という厳しい状況が3年弱にわたって続いて参りました。ようやく日台間の観光目的の往来、査証免除プログラムも、2022年第四四半期から再開されたものの、急激な円安、高止まりする原油価格などで、早い回復とは参りませんでした。私は過去の日本駐在時にSARS、東日本大震災、新型コロナウイルスという、その時々の未曾有の事態に直面して参りました。いずれ……続きを読む





フィリピン航空日本支社長 長尾知之氏

フィリピンでは昨年、2月という早い段階から外国からの観光客受け入れを再開し、12月には国別入国者数において日本は第6位となりました。また4月には、セブ島とマクタン島を結ぶ第3の橋(CCLEX)が完成し、セブ・マクタン空港からセブ島各地へのアクセスがますます便利になりました。本年は、コロナ禍でも比較的需要の高かったESL・語学研修や、フィリピンからのインバウンド観光客の増加を見込んでおります。また、FIBAバスケットボ……続きを読む




※訂正案内(編集部 2023年1月11日11時10分)
エールフランス航空・KLM オランダ航空の年頭所感を追加いたしました。