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「アクセス廃業」、トラベルポート日本支社長が語るその後の成長戦略

開いたパンドラの箱
柔軟な「グローカル」対応でユーザー獲得めざす

-今回の出来事が今後、日本のGDS環境に与える影響についてどのように見ていますか

東海林 「パンドラの箱」が開き、グローバル化が一挙に押し寄せるのではないかと考えている。 世界中を見渡してもFSCが単独でGDS・CRSを所有しているのは日本だけ、つまりアクセスとインフィニの例だけだ。つまり日本では巨大な2つの航空会社の影響力のもとパワーバランスが成り立ってきたが、その一方の勢力であったアクセスが廃業することで大きくバランスが崩れる。

 それによって旅行会社はこれまでより自由にGDSを選択できるようになる。求められるのはコストが低く、コンテンツが豊富でユーザビリティが高いプラットフォームであるはずだ。さらに言えばモバイル対応も大きなカギを握る。これらの条件を基に忖度なしでGDSを選択できるようになり、トラベルポートにとっては好ましい環境だ。

 GDSは旅行商材を流通するプラットフォームだが、現代におけるプラットフォームは旅行産業にかかわらず、GAFAのようなグローバル大手が席巻している。なぜなら巨額な投資の継続が不可欠で、そんなことをできる存在が限られるからだ。そうした中でトラベルポートは旅行産業のプラットフォームに徹しており、旅行業界での第4次産業革命と言われる変化にも対応している。

 つまり、AIやIoT、ビッグデータを利用したグローバルに対応できるシステム、サービス、プロダクトの提供が必須であり、GAFAが世界を席巻しているのと同様に、トラベルポートのようなグローバルGDSがプラットフォームとして日本の旅行産業に急速に浸透していくのではないかと見ている。

-アクセスの営業終了によって旧アクセスユーザーの争奪戦が始まります。トラベルポートも当然、自社顧客への取り込みをめざされると思いますが、その際にトラベルポートの優位性は何になると考えていますか

東海林 ご存じの通りトラベルポートはアクセスとテクノロジーパートナーの関係にあり、ホストシステムも提供している。従って「AXESS CREA Advance」との親和性も高く、エージェントサポートの準備もある。アクセスの端末を利用している旅行会社にとってユーザビリティの点では最も優位な立場にいる。

 またグローバルGDSの中には、グローバルの仕組みで日本市場に8割対応できるなら、それでいいと考えるGDSもある。しかしトラベルポートのスタンスは異なり、日本市場特有の部分にもジャストフィットできるよう柔軟にカスタマイズなどの対応をするシステム作りをめざしてきたし今後も変わらない。

-今後も日本的なグローカルなシステムがあるべきだということでしょうか

東海林 当面はグローカルをめざす。ただし、将来的には日本市場にもグローバルスタンダードが広がり、グローバルに寄っていく方向だと見ている。とはいえ変革をいきなり成し遂げるのは難しく、急変させても組織が回らなかったり現場がついてこられなかったりしてしまう。日本においてはまずはグローカル、次のステップでグローバルというのがいいのではないか。

 もちろん、業態にもよる。TMCや大手総合旅行会社は従来のやり方を一気に変えるのは難しい。一方でOTAなどは比較的早く変わっていけるのではないか。それぞれの事情に合ったスピードで変化していくことになるのだと思う。

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