itt TOKYO2024

アクセスランキング、1位は東武トップツアーズ、2位ピーチ

[総評] 今週のアクセスランキングでは、東武トラベルとトップツアーの合併についてお伝えした記事が1位になりました。従業員数でいえば東武トラベルが774名、トップツアーが1510名の大所帯で、それだけ大きな注目が集まるだろうと踏んではいましたが、予想の3倍近いアクセス数となり驚いています。

 新社名は「東武トップツアーズ」で、2013年度決算数値の合算は取扱高が1512億8600万円、営業収益が198億800万円です。取扱高は、観光庁による主要旅行会社の2013年度取扱概況に照らすと、近畿日本ツーリスト個人旅行の1555億157万円、JTBコーポレートセールスの1542億7489万円に比肩する規模となります。

 大規模な合併を当事者として経験したことはありませんが、長く歴史を持つ組織同士が一つになる時に相当な苦労を伴うことは想像に難くないところです。まして東武鉄道と東武トラベル、トップツアーという図式ですから組織の規模や力関係、経営基盤など様々なねじれがあり、乗り越えなければならない壁は高く、しかも多いでしょう。

 また、記事でも書きましたが、営業戦略や商品ブランドの整理も課題の一つとなります。ブランドというのは、当然お客様から愛されることが重要であり、従ってそれに関わる社員も愛着を持つものです。逆にいえば、社員が思い入れを持っていないブランドなど何の価値もないでしょう。東武トップツアーズとして下期には新ブランドを投入する計画とのことですが、既存ブランドの扱いを含めて強く興味を惹かれます。

 こうした課題をどのように解決し「より効率的で専門性の高い21世紀の『グッドカンパニー』」を作るか、その辺りは今後の取材でお聞きしていきたいと考えていますが、自分が当事者であったらと考えると、経営陣が自ら社員を導いていく道こそ正しいと信じ、現場がそれを共有することが最も重要なのではないかと想像します。

 トラベルビジョンでも、先般お知らせした訪日外国人向け多言語観光情報サイト「Japan Hoppers」(ご案内)の開設に合わせて増員があり、たった数名の規模でもめまいがするほどの課題に毎日ぶつかっているところで、言うは易く行うは難しの典型ですが、やはり自分が信じないで誰が信じるのかと気を奮い立たせています。

 なお、今週2位はピーチ・アビエーション(MM)が仙台空港をハブとすることを決めた記事でした。MMが2012年3月に日系LCCの先駆けとして初便を就航した当時、当欄でもLCCが根付く可能性に度々触れていましたが、現在は「LCC」の3文字が市民権を得ており、MMは4ヶ所目のハブ空港決定と隔世の感があります。

 MM就航からの3年間、旅行業界ではLCCの浸透だけでなく、海外旅行需要の乱高下、訪日旅行需要の急伸、首都圏空港の機能強化など様々な変化が起きました。更にその1年前には東日本大震災が起きているわけで、まさに激動の時代です。

 日々を過ごしているとどうしても変化が小さく感じられます。しかし、この3、4年間を振り返ると、世の中の大きな流れを常に意識しその中で目の前の出来事が何を意味するのか、どういった流れの一部分なのかを考えながら生活し、仕事をしていかなければならないと感じます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年3月第週:3月8日0時~3月13日18時)
第1位
「東武トップツアーズ」4月誕生へ、ロゴ決定、組織や商品改正も(15/03/10)

第2位
ピーチ、17年夏までに仙台を第4拠点化-国際線開設も(15/03/09)

第3位
福井の恐竜博物館、新宿タカシマヤでイベント、北陸新幹線と開館15周年で(15/03/08)

第4位
日系2社、1月の国際線旅客は1.3%増、ANA牽引-利用率はJAL(15/03/08)

第5位
旅行業公取協が規約説明会-マーク表示義務化、宿泊地「特有の事情」定義も(15/03/11)

第6位
カンタス、エコノミー新機内食の試食会-日本線で提供開始(15/03/10)

第7位
スカイマークのブランド再生、広告制作のTYOが支援(15/03/08)

第8位
ユナイテッド、空港ラウンジのサービス刷新、成田は改装(15/03/11)

第9位
西鉄旅行、福岡発着バスツアーをベルトラで販売-グループで訪日強化(15/03/10)

第10位
香港、15年120万人へ「元気になる」アピール-新素材も(15/03/12)