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ピーチ、17年夏までに仙台を第4拠点化-国際線開設も

  • 2015年3月9日

 ピーチ・アビエーション(MM)は3月9日、2017年夏までに仙台空港を拠点空港とすることを決定した。同社にとっては関空、那覇、成田に次ぐ4拠点目となる見込み。MM代表取締役CEOの井上慎一氏は、「仙台空港の拠点化は2012年の開業以来の悲願。仙台から国内だけではなく、アジア各地への路線展開を積極的に進め、旺盛な訪日需要を取り込む」とコメントしている。同社は現在、仙台に就航する唯一のLCCとして、関空/仙台線をトリプルデイリーで運航している。

 同社は拠点化にあたり、保有機材1機の夜間駐機から開始し、その後は複数の国内線と国際線に路線を拡大したい考え。具体的な路線数や便数の目標、整備体制の構築方針などについては明らかにしていない。仙台空港については2016年3月を目途にコンセッション方式による民営化が予定されており、今後決定する運営権者の判断次第では、着陸料の引き下げなどにより、増便や新規路線の開設などをおこないやすい環境が整うと見られる。

 現在、国内線12路線と国際線8路線を運航しているMMは、2013年4月にLCC初の東北路線として関空/仙台線に就航。1日2便から運航を開始し、同年9月以降は1日3便で運航している。MMによれば、現在の関空/仙台線は「非常に好調」で、2014年7月から9月までのロードファクターは平均で91.5%に上る。

 MMによれば、東北地方は今後、「アウトバウンド、インバウンドともに可能性がある」地域で、特にインバウンドについては、日本全国レベルで見れば遅れはあるものの、同社便を利用して来日し、「関空で仙台線に乗り継ぎ、観光地やグルメを目当てに東北へ向かう需要」が一定の割合で見られるという。本誌の取材に応えた宮城県も、「MMが仙台空港を拠点化し、夜間駐機などを開始すれば、県民の利便性は大幅に向上する」と歓迎の意を示した。

 なお、MMは関空以外の空港について、拠点化に向けた動きを着々と進めているところ。第2ハブと位置づける那覇については、3路線目の那覇発国際線となる那覇/仁川線を9月4日に1日1便で開設するほか、同日からは那覇/福岡線を現在の1日1便から1日2便に増便する。第3の拠点化をめざす成田については、3月29日から新千歳線と福岡線の運航を開始。MMの成田線は既存の成田/関空線と合わせて計3路線に増加する。新千歳線はデイリー、福岡線はダブルデイリーで運航する。