アクセスランキング、1位はUAデンバー線-オンライン関連も複数

[総評] 今週は、ユナイテッド航空(UA)が6月10日に就航を予定する成田/デンバー線についての記事が1位になりました。同路線は当初4月1日の開設を予定していましたが、B787型機の問題発生により延期となり、このほどの同型機の運航再開でようやく実現することになったものです。

 デンバー線について印象に残っているのは、コロラド州やデンバー市が長年に渡って就航を働きかけ続けてきたことです。私がトラベルビジョンで働き始めた2007年の段階ですでにB787型機による就航を要望していましたし(リンク)、路線誘致にはこうした粘り強い取り組みが必要なのだと思わされます。

 詳細は記事に譲りますが、予約状況は7割以上と順調な推移を示しているとのことで、全体の7割が乗継需要という見込みではありますが、州や市の喜びもひとしおでしょう。

 また、UA太平洋地区営業担当支社長のマット・ミラー氏は姉妹都市からの修学旅行にも意欲を示されており、エコノミークラスが100席強程度であることを考えるとハードルはあるかもしれませんが、いずれにしてもどのような使われ方をするか興味深いところです。

 また、今週は2位にフンヌ・エアー(MR、旧モンゴリアン航空)の夏のチャーター計画がランクインしています。先週の当欄でチャーター規制の緩和について触れましたが、チャーターには旅行会社が主体性を発揮できるツールとしての期待がかかります。

 もちろん、はっきりいってMRもそうですが、日本に馴染みのない航空会社であるほど、一般的には諸々のリスクは高くなると考えて良いでしょう。少し考えただけでもルズエアー、サイパンエアー、少し前ですとビバマカオ航空、アンコール航空など、業界だけでなくお客様にも影響を与えた案件が思い出さます。

 オフライン、あるいは知名度が低いから使うべきではないと主張したいわけではありません。とはいえ、チャーターについての深い部分まで社会的に理解が深まっているわけではない中で、何か問題が発生すればその懸念がことさらに注目され、結果としてチャーターのイメージを損なってしまいます。その意味では航空会社、GSA、旅行会社、関連団体が協力し、あるいは行政機関の力も借りながら健全にチャーターの活性化をはかっていくべきでしょう。

 なお、今週はこのほか、オンライン分野に関する記事も多くランクインしました。3位は5月24日に開催されたイベント「Web in Travel(WIT) Japan 2013」の様子ですし、4位にはエクスペディア・アフィリエイト・ネットワーク(EAN)のインタビュー、8位にはエイチ・アイ・エス(HIS)によるFacebookアプリの取り組みが入っています。

 WITでは、2015年に旅行市場でのオンライン流通が全体の4割を占める規模となる可能性が示されました。この予想が現実のものになるとして、4割という数字をどう見るかが面白いところです。例えば、逆から見れば6割はオフラインであり続けるわけで、システムに投じる資金力が問われ、さらに知識も技術も豊富なIT企業の新規参入すら予期されるオンライン市場は思い切って避けてしまう手もあるかもしれません。

 レッドオーシャン、ブルーオーシャンという用語がありますが、オンラインとオフラインの市場はいずれも一見すると真っ赤に違いありません。しかし、視点を変えれば赤い海が青くなる、あるいは“青くする”方法もあるはずです。また、どの海を選ぶかは経営者次第ですが、現場レベルでも自分がどのような市場で価値を持つ人間か、どうなりたいかを日頃から考えておきたいものです。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年5月第5週:5月26日0時~5月31日20時)
第1位
UA、デンバー線予約は7割超-乗継メイン、ビジネス需要に期待(13/05/26)

第2位
モンゴリアン航空、13年夏にチャーター11本、フンヌ・エアーに社名変更(13/05/29)

第3位
15年のオンライン旅行は全体の4割か、スマホやSNS活用へ(13/05/26)

第4位
インタビュー:エクスペディア・アフィリエイト・ネットワーク(1)(13/05/30)

第5位
NOE影山新社長、業務渡航とレジャーで相乗効果発揮めざす(13/05/27)

第6位
JTB USA、米運輸省から罰金6万ドル、コードシェア便販売に違反(13/05/30)

第7位
JTBとトラベルカフェ、北欧テーマに「フィンエアーカフェ」(13/05/27)

第8位
HIS、FacebookアプリでSIT商品、旅行企画を募集(13/05/28)

第9位
JAL植木社長、羽田国際線9万回化に期待-発着枠は「公平な配分」を(13/05/30)

第10位
世界の人気観光都市、1位はパリ-東京は15位、トリップアドバイザー調査(13/05/26)