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【上海現地レポート】歴史や文化的価値を活用するとともに、新たな観光資源開発を発表した上海の現状

上海のインバウンド観光のチャレンジ

 インバウンド観光は2年近く閉鎖されており、インバウンド関連の旅行会社は生き残るのに苦労しています。多くの外国語ツアーガイドも転職しました。現在、上海の外国語ツアーガイドの80%は勤務しておらず、インバウンド観光が再開されたとしても、優秀なツアーガイドは、必ずしも戻ってくることを望んでいないか、望んでいたとしても戻ってくることができないかもしれません。現在、インバウンドツアーガイドのほとんどが国内市場に転向するか、旅行ブロガーになっています。中国のインバウンド観光がいつ再開するかはまだ不明ですが、それでも事前に準備する必要があります。

 コロナの流行前でさえ、上海のインバウンド観光市場は東京やニューヨークなどの都市と比較すると、まだまだ人気とは呼べませんでした。中国のインバウンド観光の最大の問題点はビザにあります。中国のビザを申請する場合、外国人観光客は28ページもの資料を記入する必要がありますが、その多くは途方もないものであり、英語でしか入手できません。専任の旅行代理店のスタッフが記入するのに少なくとも1時間かかりますが、普通の外国人観光客はさらに時間がかかります。中国のビザが難しさが、多くの外国人観光客を落胆させているのです。

 中国の観光産業のサービス意識と全体的なサービスレベルは貧弱です。中国はもはやアジアの低コストの観光地ではありません。観光のコストは日本や韓国とほぼ同じレベルですが、サービスレベルはまだまだです。現在、中国ではオンライン決済が盛んですが、外国人観光客はQRコードをスキャンしてオンライン決済をすることは難しく、中国での外国人観光客の消費レベルを大きく制限しています。

国慶節の南京路

最後に

 中国国外から上海に入国する渡航者に対して、核酸検査及び14日間の隔離措置及び7日間の在宅健康観察が行われます。中国国外から上海に入境し、江蘇省、浙江省を目的地とする渡航者については、上海市にて3日間集中隔離された後、4日目に移送要件を満たした場合、各省が手配した専門スタッフ及び専用車が、隔離場所から目的地に移送し、引き続き各都市の政策による集中隔離となります。