観光産業のためのLGBT基礎知識Vol.3 ~アトランタで開催されたIGLTA総会をレポート~

2年ぶりの開催に22ヶ国約400名が集結
LGBTのワクチン接種率の高さや旅行意欲にも注目

グローバル・コンベンション誘致を目指す大阪観光局の取り組み

 この年次のグローバル・コンベンションは、米国とそれ以外の国で交互に開催されることになっています。2024年には大阪がアジアで初の開催に名乗りを上げていて、大阪観光局は3年前から着々と準備を進めています。

  IGLTAボードメンバー会議の様子 今回のコンベンションで大阪観光局は、IGLTAボードメンバー会議のスポンサーとなり、ボードメンバー全員の前でプレゼンテーションを行いました。溝畑局長のビデオを上映した後、大阪観光局の木村部長とMICEスペシャリストのJonathan Lucas氏が大阪の観光地や街の魅力についてプレゼンし、会場のボードメンバーたちから「ぜひ大阪に行きたいです」と高評価をいただきました。コンベンションの開催地はボードメンバーの投票によって決まるため、とても重要な意味を持つプレゼンテーションでした。

会議室のサインボードの前で大阪観光局レインボーフラッグとオリジナルクッキー

 もし誘致が実現したら、大阪が海外のたくさんのメディアに取り上げられ、大勢のLGBTQ+アライの観光客が世界中から訪れることが期待されます。(実は香港でのゲイゲームズの開催が危ぶまれているのですが)大阪でこうした国際LGBTQ会議が実現すれば、日本が(東アジアでは台湾の次に)LGBTQフレンドリーな国として認知され、国際社会でのプレゼンスを高めることにもつながります。ワールドプライドやゲイゲームズ、こうした国際団体の会議など、LGBTQの世界規模のイベントは様々ありますが、これまでずっと日本は「蚊帳の外」でした(ほぼ欧米諸国の間での持ち回りです)。そんななか、史上初めて、日本での開催が現実味を帯びてきています。

 2024年のグローバル・コンベンションの開催都市は、2022年秋に行われるBID(入札)で決まります。ここで、他の都市に負けないような、魅力的で素晴らしい提案をしなくてはいけません。宿泊施設や他の地方自治体との調整、様々な素敵なパーティの企画など、予算面なども含め、考えることがたくさんありますが、大阪観光局のLGBTQアドバイザーとして誇りを持ってお手伝いしていきたいと思っています。

小泉伸太郎
1968年東京都生まれ。立教大学卒業。ホテル、スキーリゾート開発会社等での20年のインバウンド経験を活かし、LGBTフレンドリーなランドオペレーター「Out Asia Travel」を設立。LGBT旅⾏者の日本旅行手配にて多くの知⾒を持つ。また、IGLTA(国際LGBTQ+旅行協会)のアジアアンバサダーもつとめており、日本人として初めて「Ambassador of the year 2016」を受賞。