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求人情報

ミレニアル世代の校長が推進する産学連携の実践的職業教育-京都ホテル観光ブライダル専門学校 田中幹人氏

厳しい状況だからこそ企業連携の新しい方法を模索
これからは専門学校生にもマネジメントスキルを

-授業では企業や業界出身の実務家教員・講師を採用されていますが、具体的な授業内容をお聞かせください。

田中 本校では基本的に業界経験が豊富な方を教員として採用しています。例えば、ホテルで料飲支配人として活躍されてきた方に、「レストランサービス技能検定(HRS)」という国家試験対策の特別講師をお願いしています。また、フリーのツアーコンダクターの方には教育旅行研究や観光業界研究の授業で新しい観光・旅行のあり方を思想設計から教えてもらっています。

 専門学校は職業型実学教育という、いわゆる手に職をつける教育が得意分野ですが、今後はそれだけではなく、マネジメントの知識やスキルを身につけておくことも重要だと考えています。これからはホテル経営や投資ファンドの経験者など、数字の読める講師も必要になるでしょう。

-観光産業を志す人材を育成する立場から、業界へ望むのはどんなことでしょうか。
インタビューは「キャリエール・スイート」と呼ばれる校舎内スイートルームにて実施

田中 コロナ禍で京都観光はインバウンドがほぼ消滅の状態で、多くのエリアでホテル・旅館の稼働率は低迷しており、経営と雇用の維持が危ぶまれています。そしてコロナの影響を受けている各業界への、若い世代からの関心 の薄れが懸念されています。

 そのため、本校ではこの春から業界関係者へのインタビュー動画の撮影に取り組んでおり、本校公式YouTubeを軸に、国内の企業・団体から業界を目指す次世代に向けた前向きなメッセージを発信する取り組みも行っています。しっかりと産学連携し、業界の明るい未来を発信し、需要が戻る未来に備えて質の高い職業教育を提供してまいります。

 また、それぞれの立場による利害関係はあると思いますが、このような非常時だからこそお互いを尊重しながら共創し、共通の困難に立ち向かうことが必要だと感じています。私も学校法人を経営・運営する立場ですが、自分の法人だけが良ければ構わないということではなく、地域、京都、全国、さらにグローバルへ貢献する視点を持つことを日頃から心がけています。「人の和」を広げて、観光業界をどう発展させていくのかという意識を産学公連携で共有し、それぞれの立場からできることを実践することが重要ではないでしょうか。本校も”オールtaiwa(大和学園)”で豊かな社会の実現に向けた「まちづくり」や「ひとづくり」に邁進してまいります。

-ありがとうございました。