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コロナ機に諦めていたネット販売が爆発、物産展からシフトチェンジ-五島市物産振興協会インタビュー

豊かな自然が育んだ安心・安全な特産品を全国へ

-来島者数はコロナ前と比較していかがでしょうか。

青野久哉氏(以下敬称略) 例年に比べると少なく、一昨年と昨年の年間の観光入込客数を比較すると半減しているので、対策を考えているところです。肌感覚では、直近は前年同月比で同じか、少し増えているくらいだと思います。コロナの影響で船や飛行機も減便もされているため、県内から来島する方も減少しています。

-地元の物産関連事業者の方々への影響についてもお聞かせください。

松本 正確な数字は出ていませんが、昨年感染が拡大し始めて3、4か月ほどした頃、協会の会員である業者の方々にアンケートを行いました。86の会員のうち約半数から回答があり、その合計では売上が1億円以上減少したという結果でしたので、間違いなくそれ以上の影響があったと考えています。

 来島者が減ってしまったため、土産品店を運営している会社や島内の土産品店に卸している業者は特に厳しい状況に置かれ、売上が0に近いような状態でした。また物産展を開催できなくなったので、物産展で生計を立てていた業者は大きな痛手を受けました。

 一方で、生協や通販会社との取引は売上が伸びてきています。スーパーとの取引も引き続き順調です。さらに、これまでは企業様との取引が中心でしたが、少しずつ個人のお客様も増えてきています。

-協会で運営されている「MIGOTOショップ」についてお聞かせください。

松本 「MIGOTOショップ」がオープンしたのは協会設立の翌年の2013年です。ですが、これまでネット事業は年間で数十万程度の売上で、広告を出してもあまり効果が得られませんでした。そのためネット事業は諦め、島外に向けて物産展や卸を拡大していこうと考えていた矢先にコロナが発生しました。

 物産展開催の目途が立たたないなか、市から委託され「MIGOTOショップ」で「ごとう応援セット」という商品を販売しました。商品代の3分の1を補助し、送料も無料にした格安のセット商品で、島外に住む五島出身者や五島市に興味を持っている方々に向けてメールで告知しました。マスコミに取り上げられた効果もあり、1日で約300万円もの売上を達成することができました。このイベントがきっかけとなり、最終的にネット事業で年間約2000万円の売上を達成しています。

-イベントが終了した今でも業績は引き続き好調ですか。

松本 そうですね。昨年度の爆発的な数字とまではいきませんが、父の日フェアなどのイベントを定期的に開催し、毎月30万円から40万円ほどの売上があります。顧客も増えてきているので、今はネット事業に力を入れています。

-地元の名産品のなかでおすすめは。

松本 人気が高いのは「五島うどん」。あとは「かんころもち」という五島を代表するお菓子や、椿製品ですね。最近ネット事業では「養殖マグロ」の売上が伸びています。長崎県は養殖クロマグロの生産量日本一ですが、実は島内の方も九州の方もマグロをあまり食べません。九州ではどちらかというとコリコリした食感の魚が好まれますが、赤身のマグロは脂身が多くしっとりしているので、食べる方が少ないのかなと思います。

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