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観光産業のためのLGBT基礎知識Vol.2 ~文化と学生の街・京都で花開いたLGBTQのいろいろ~

海外のLGBTQも注目する京都
今年4月には初のレインボーパレードを開催

日本初の仏式の同性結婚式が内外で話題に

ホテルグランヴィア京都と春光院のコラボによって実現した仏式の同性結婚式

 2006年、日本にLGBTQツーリズムというものが成立していなかった時代に、ホテルグランヴィア京都が日本で初めてIGLTA(国際LGBTQ+旅行協会)の会員になりました。たいへんな先見の明です。ホテルグランヴィア京都は2014年、すでに同性結婚式を挙げた実績があった京都の春光院と連携し、日本で初めての仏式の同性結婚式をプランニングし、海外の旅行博などでPRしたところ、たいへんな反響を呼び、国内でも盛んに報じられました。

 もともと京都は海外のLGBTQの間でも関心が高い街でしたが、保守的なイメージもあったなかで、同性結婚式ができるほどLGBTQフレンドリーなんだね、というふうに世界に認知されるきっかけとなりました。以降、ホテルグランヴィア京都にはずいぶんたくさんのLGBTQのお客様が訪れたそうです。

 2019年には京都市観光協会がIGLTAに加盟、また、2020年には京都市でパートナーシップ宣誓制度がスタートし、京都市のシンボルである京都タワーと二条城がレインボーカラーにライトアップされるというセレモニーも行なわれました。LGBTQインバウンド旅行客をお迎えする下地が整えられたと言えそうです。

桜の季節、京都レインボープライドパレードが初開催

 先に立命館大学の学生団体がLGBTQのパレードを開催したとお伝えしましたが、学園祭の時にキャンパスの周辺を数十人でパレードするという小さなもので、本格的なレインボーパレードはまだ実現を見ていませんでした。そんななか、「そらにじ京都」というトランスジェンダーの方たちを中心としたグループが主催し、今年の4月4日、初のレインボーパレードが開催されました(昨年、カラフルというグループもパレードを企画していたそうなのですが、コロナ禍で中止されたそうです)。

 あいにくの雨模様となりましたが、それでも約200名の方たちが集まり、市役所前〜河原町通り〜四条大橋〜円山公園という市内随一の目抜き通りを楽しく行進しました。出発前には門川大作市長が「京都市は、多様な人が向き合い、誇るべき都市として、多様性を重んじあうこと、人間の尊厳を認めあうこと、そして誰一人取り残さない、SDGSの理念、持続可能な社会に向かって、共々に努力して参りたいと思います」とスピーチし、参加者を激励しました。(こちらにレポートを掲載しております)

 来年、コロナ禍が収束したら、市役所前にブースが並んだり(弊社も出展すると思います)ステージが設けられたりして、他所のパレードと同様のスタイルで、桜が舞い散るなか、もっと晴れやかに、美しく、盛大に開催されることでしょう。

小泉伸太郎
1968年東京都生まれ。立教大学卒業。ホテル、スキーリゾート開発会社等での20年のインバウンド経験を活かし、LGBTフレンドリーなランドオペレーター「Out Asia Travel」を設立。LGBT旅⾏者の日本旅行手配にて多くの知⾒を持つ。また、IGLTA(国際LGBTQ+旅行協会)のアジアアンバサダーもつとめており、日本人として初めて「Ambassador of the year 2016」を受賞。