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『コロナ奮闘記 Vol.17』さあ、次は海外旅行再開へ-風の旅行社 原優二氏寄稿

  • 2020年9月23日
風の旅行社代表取締役の原優二氏

 新政権が誕生した。「仕事をしたい」という言葉通り、解散・総選挙で政治的な空白を作らず、実効性のある仕事をして下さるものと期待したい。デジタル省も急務ではあるが、私たちの注目は何といってもコロナ対策である。経済を回しながら感染拡大防止にも成功し、オリンピック・パラリンピックを無事にやり切れば、菅総理にとっても長期政権への道が開けてくるに違いない。

 安倍首相が残した宿題である20万件/日の検査態勢拡充に関しては、6年ぶりに厚生労働大臣に再任された田村憲久大臣自らが、各地の事情に合わせて10月中に調整し、11月のインフルエンザの流行に間に合うよう抗原検査キットを使って整えたいと表明している。現在は6万件/日強だから3倍以上に増やさなくてはならない。20万件/日というのはインフルエンザの例年の検査数とほぼ同じだそうだ。症状が紛らわしく両方の検査が必須ならこの数字は絶対にクリアーする必要がある。今回は、抗原検査キットを提供するメーカーとも既に協議ができており単なる目標値ではないと推察している。国内の感染をどう収めるかは海外旅行再開の必須条件にもなる。是非、実現してもらいたい。

 また、組閣早々、菅総理は田村厚労大臣に、受信者の自己負担となる自由診療の検査費用を安くするよう指示した。20万件/日の検査は、感染症法に基づく検査であり自己負担はない。狙いは治療であり感染者を見つけるためのスクリーニングである。一方自由診療の検査は、現在は、スポーツ選手や企業活動そして、海外渡航におけるレジデンストラックやビジネストラックで求められる陰性証明書に使われているが、各方面から経済活動の維持・拡大のために使いたいという要望が上がっている。しかし、現在は、4万円ほどとかなり高額である。多くの人からご指摘の通り、検査は何回も繰り返し受けないと意味が薄い。政府の補助なども入れて低廉化すれば、いつでも、だれでも、何回でも検査を受けられるようになる。それが、「ワンコインでいつでも検査」のプロジェクトが意図するところだ。田村厚生労働大臣は、海外に比べて値段はどうなのか、高いなら何故高いのかを調査し対応したいと述べている。是非、早急に進めてもらいたい。

 Go Toが軌道に乗り出した今、次は海外旅行だという期待感が高まっている。観光や短期出張のための海外旅行再開に関しては、PCR検査もさることながら14日間の自主隔離が大きなネックになっているのは明らかだ。では、どうすれば14日の自主隔離をなくせるのか。

 9月16日、ハワイ州のイゲ州知事は、10月15日以降にハワイ州へ来島する訪問者は、出発前に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の核酸増幅検査(PCR検査を含む)を行い、陰性であることの証明を提示すれば14日間の自己隔離を免除されると発表した。但し、到着時の検温並びにハワイ州トラベル&ヘルスフォームへの記入が必須。また、事前検査は、アメリカ食品医薬品局(FDA)により承認されているPCR検査を含む核酸増幅検査(NAAT)のみ。(ハワイ州観光局HPより)

 日本の検査がこれに該当するかは私には分からないが、14日間の隔離をなくすことと陰性証明はセットだということだ。もちろん、日本政府が、ハワイから帰国した際に検査をして陰性ならば、誓約書等を提出させる等の方法で、14日間の隔離不要という措置を取ってくれないと海外旅行は再開されない。現在、オリンピック・パラリンピック開催に向け、選手や大会関係者の入国制限を緩和する「アスリート・トラック」が検討されているが、これもまた検査が前提となっている。

 感染が収まりつつある現在こそ、検査態勢の一層の拡充を行うチャンスである。また、経済活動を止めず、海外旅行を再開させるには、空港等の検疫の検査もさることながら、自由診療の検査を安くし容易に陰性証明書を手に入れられるようにすることが鍵になることは間違いなかろう。

 私が発起人代表になっている「ワンコインでいつでも検査」実現プロジェクトで、9月26日(土)にトークイベント「音楽業界・旅行業界のキーパーソンが語る Withコロナ時代の羅針盤」を、東京都内の会場と全国とをオンラインで繋いで開催いたします。

◆イベントの概要
日時: 2020年9月26日(土) 14:00~15:30
会場:文京シビックセンター会議室
   東京都文京区春日1-16-21(定員40名様)
※リモート(ZoomまたはYouTube利用)でのご参加枠もご用意します。(定員100名様)
ゲスト: 入山 功一氏(ゲスト)
一般社団法人日本クラシック音楽事業協会会長
株式会社AMATI 代表取締役

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