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目標の2000万人は「達成」、6%増で1年前倒し-19年出国者数

 観光庁は1月17日、2019年の総出国者数が前年比5.9%増の2008万600人(推計値)に上り、旅行業界が長年目標としてきた2000万人を初めて達成したことを発表した。官民でめざしていた「20年までに2000万人」の目標が、1年前倒しで達成されたことになる。近年の訪日外国人旅行者の増加を背景とした航空路線増などに後押しされ、今年は11月が1.9%減となった以外はすべての月が増加。特に4月はゴールデンウィークの10連休効果により、22.8%増と大きな伸びを見せていた。

 19年の出国者数については、11月までの累計が6.0%増の1836万8300人となり、12月の出国者数が前年並みとなった場合は2000万人を下回る状況となったことから、2000万人の達成・未達については年明けになっても不透明なままとなっていた。1月9日のトラベル懇話会の新春講演会では会長の原優二氏が「あと2000人か3000人? 大変残念だった」と未達に終わったとの情報があったことを伝え、一方で翌10日の日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)の新年会では、会長の大畑貴彦氏が「到達したのでは、との情報も入ってきている」と伝えていた(下記関連記事)。

 12月の出国者数は5.1%増の171万2300人。観光庁によれば、2000万人に到達した日については把握できていないものの、年末年始の休暇に入った月末にようやく2000万人に到達した可能性が高いという。観光庁長官の田端浩氏は17日の記者会見で、2000万人の目標達成について「大変喜ばしく、関係者のご努力に敬意を表したい」と述べた。

 1964年に海外渡航が自由化された後、日本人の出国者数は90年に初めて1000万人を突破。その後、2007年には次なる目標として2000万人が掲げられ、政府も17年には観光立国推進基本計画で「20年までに2000万人」の目標を定めた。訪日客数が出国者数を上回っているここ数年は、政府も外交上の観点から双方向交流の重要性を強調し、アウトバウンド関連事業にも予算を充当するようになるなど、官民を挙げて海外旅行促進の取り組みが続いている。

 今回の2000万人達成を記念して、観光庁と日本旅行業協会(JATA)は1月27日に、国土交通省内で「日本人海外旅行者数2000万人達成祝賀会」を開催する。旅行会社や関連団体、各国の大使館および政府観光局、観光庁などから約250名が参加する予定で、田端氏やJATA会長の田川博己氏に加えて、国土交通大臣の赤羽一嘉氏も挨拶する予定。