NOE橋本新社長、課題解決へ積極展開、社員巻き込み中計策定へ

60周年に向け体制強化、業務改革でプロジェクトチームも
付加価値追求、クロスセル強化も

貴社の強みと課題をお聞かせください

橋本 まず社員が優秀であること。そして、先輩方が長年築き上げてきた「ビジネストラベル」の土台のうえに、現在も法人取引先との関係を構築し続けられていること。これは強みであり会社の財産だ。今後は、これまで構築してきたこれらの財産をどのように活用するのかが重要な課題になると感じている。

 また、60年の歴史があるからこそ実績を主張でき、信頼を得られる。さらに株主の説明をした時、銀行系を筆頭に大手企業との取引があると伝えられることも信用に繋がる。

 加えて、旅行基幹システム「TRAVO」も当社の強みだ。「TRAVO」は予約から出発までの進捗や売上を一括管理できる基幹システムで、「人間の業務を機械に任せる」という発想を持って自分たちで基幹システムを開発、管理してこられたことは大きな財産だといえるだろう。

経営理念に掲げられている「質の高い旅」、「社員ひとり一人が働きがいと充実感を得られるような企業風土」について、具体的にどのような姿を目標とされているでしょうか

橋本 今の経営理念を掲げたのは2000年頃で、その間に旅行業界も随分変わった。中期経営計画を策定するのに合わせて見直す話も出ている。

 そのうえで「質の高い旅」については、もともとNOEはビジネストラベルを含めてサービス重視の考え方をしてきたわけだが、スカイツアーの一部では価格を求められることもあった。しかし、価格面でオンライントラベルエージェント(OTA)と競う考えはなく、質の高い内容、サービスで勝負したい思いは強い。実際に、値段で戦う廉価商品をメタサーチに掲載するようなビジネスからはほぼ撤退した。

 また、「社員一人ひとりが働きがいと充実感を得られるような企業風土」も大変重要であり常に心にある。これからの時代に適応した働き方への改革は特に力を入れて推進したい。会社の収益が上がれば社員にボーナスなどの形で還元することを重要視しており、その姿勢は今後も変わらない。業績もこの3年間は悪くないため、ベースも全体的には上がっている。

 ただし、各々の社員に見合った内容の業務やポジションを十分に与えられているかと問われたら、課題はある。率直に言って永遠の課題だろう。それ故に、会社のビジョンを明確にし、全社員で共有することが大事だと思っている。