国内旅行概況、18年2Qは3ポイント減、団体旅行が好調

  • 2018年7月3日

 日本旅行業協会(JATA)が5月21日から6月8日にかけて、会員632社を対象に実施した旅行市場動向調査で、今年4月から6月までの3ヶ月間の国内旅行のDI値(※)はマイナス3ポイントとなり、前期(1月〜3月)に比べて12ポイント増加した。前期に発表した見通しと同じで、前年同期比では17ポイント増。

 旅行会社からは「職場旅行の件数が増加傾向」「沖縄ははしかの影響でGWを含めて苦戦」「社員旅行が少しづつ増えてきている」などの声が挙がり、JATAによれば個人旅行は苦戦するも、好調な団体旅行がDI値を押し上げたという。

 業態別では「国内旅行ホールセラー」は10ポイント減のマイナス27ポイント、「ネット系旅行会社」は17ポイント減のマイナス50ポイントと前期を下回ったが、それ以外は増加した。DI値が最も伸びたのは「総合旅行会社」で27ポイント増での10ポイント。「インハウス」が17ポイント増の6ポイントと続いた。

 方面別では「北海道」が17ポイント増の3ポイントと最も伸長。「愛知・岐阜・三重」「近畿」「奄美・沖縄」が落ち込んだ以外は前期を上回った。このうち最も減少したのは「奄美・沖縄」で4ポイント減のマイナス1ポイントだった。DI値が最も高かったのは「京阪神(京都・大阪・USJ)」で4ポイント増の9ポイント、最も低かったのは「四国」で9ポイント増のマイナス24ポイントとなった。

 顧客層別では、団体旅行はすべてのセグメントで前期を上回ったが、個人旅行の「OL」と「一人旅」は前期を下回った。最も増加したのは団体旅行の「招待・報奨」で12ポイント増のマイナス11ポイント。「サークル・親睦」も同じく12ポイント増のマイナス13となった。最も落ち込んだのは個人旅行の「一人旅」で11ポイント減のマイナス30ポイントだった。

 7月から9月までの3ヶ月間は、国内旅行全体で4ポイント増の1ポイントを予想。旅行会社からは「間際の予約が顕著にふえている」「夏休みのファミリー層は昨年よりも早く予約が入っている」「7月と8月に東京のホテルが少ない。希望のホテルが満室でキャンセルになることが多い」などの声が挙がった。

 業態別では、「インハウス」「リテーラー2」以外は増加し、特に「国内旅行ホールセラー」は45ポイント増の18ポイントと大幅に伸長する見通し。方面別では「北海道」が11ポイント増の14ポイントとなるほか、「沖縄・奄美」が10ポイント増の9ポイント、「甲信越」が7ポイント増のマイナス16ポイントと増加する予想だ。

 顧客層別では、個人旅行の「招待・報奨」「職場」「シニア(60歳以上)」がそれぞれ9ポイント減、「サークル・親睦」が2ポイント減で今期を下回る見込み。そのほか「教育」「OL」「ファミリー」「一人旅」は増加を予想。特に「ファミリー」は14ポイント増の6ポイントと伸びる見通し。

 なお、10月から12月までの3ヶ月間については、国内旅行全体で現況比1ポイント増のマイナス2ポイントを見込む。

※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いている。