モナコ、17年は富裕層の家族に注力、目標は「15年並み」

  • 2017年4月23日

ローズ氏  このほど来日したモナコ政府観光会議局局長のギョーム・ローズ氏は業界誌のインタビューに応え、近年の日本人旅行者について「富裕層が低年齢化しており、ファミリーの比重が増えてきている」との見方を示すとともに、2017年は従来からのターゲットであるシニアやハネムーナーに加えて、富裕層の家族をターゲットとする考えを示した。オペラやバレエなどの文化・芸術をアピールし、各種のプロモーションに取り組むという。

 プロモーションの強化に向けては、今年1月から日本事務所の委託先をキャンドルウィックへと変更し、体制を一新したことを説明。そのほか「我が国はフランスやイタリアなどの隣国を訪れる場所としても最適」と強調し、旅行会社の周遊ツアーについては日帰りだけでなく、モナコ国内での宿泊も盛り込むよう要望した。

 ローズ氏は、モナコ国内のホテルについては「92%が4ツ星ホテル以上で、価格はパリやミラノ、ロンドンの同ランクのホテルよりも安い。また、3ツ星でも4ツ星に匹敵するサービスを提供しているホテルも多い」と主張。ラグジュアリーなイメージが強い一方で、手が届きやすいデスティネーションでもあることをアピールした。

 日本人訪問者数の目標については、16年が欧州各国でのテロ事件などにより前年比6.3%減の8060人と落ち込んだことを受けて、「15年並みに戻したい」と意欲を示した。安全の確保に向けては「残念ながらどの国においてもテロ事件が発生しないとは言えなくなっている」と述べた上で、小国ながら街中に800人の警官や600台の監視カメラを配備していることを強調。「我々はテロなどの防止に向けた充分な手立てを打っており、世界で最も安全な国の1つと言えるだろう」とアピールした。