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ブラジル、五輪期間のビザ免除に期待-16年は日本人2割増へ

  • 2016年5月22日

(左から)メルコスール観光局のブランキニョ氏、駐日ブラジル大使館通商部部長一等書記官のアナ・パウラ・コーべ氏、ヘイス氏、ギリェルミ・クレメンチーノ氏 ブラジルは6月1日から9月18日までの期間限定で、日本など4ヶ国を対象に観光ビザの取得を免除する。8月5日から開催されるリオデジャネイロ五輪にあわせた措置で、同プログラムのプロモーションのために来日した、ブラジル観光公社で観光競合情報分析・マーケットインテリジェンス管理部総合コーディネーターを務めるブルーノ・ヘイス氏は「プログラムを活用して、多くの日本人の方にさまざまなブラジルの観光地を訪問してほしい」と期待を示した。

 今回のプログラムで免除の対象となるのは、日本と米国、カナダ、オーストラリアの計4ヶ国。ヘイス氏によると、これらの国々については旅行中の消費額が高いことや、平均滞在日数が10日以上と長いことから、旅行需要の取り込みを強化しており、あわせて五輪への関心度も高いことから、ビザの取得免除を決定したという。なお、ブラジルは欧州諸国や南アフリカ共和国などの約80ヶ国に対しては、すでに観光ビザの取得を免除している。

 今回のプログラムでは、免除期間中に観光目的で入国した日本人旅行者は、入国日から90日間までビザ無しでブラジル国内に滞在できる。ヘイス氏は五輪を契機とする観光需要や、今回の観光ビザ取得免除などにより、日本人旅行者数の増加をはかる考えを説明。2014年のサッカーワールドカップ大会の反動などで、前年比約17%減の約7万人に減少した15年の日本人旅行者数から、今年は20%増をめざすとした。

 リオ五輪については、ジェイティービー(JTB)、KNT-CTホールディングス(KNT-CT)、東武トップツアーズの3社が公式ツアーの販売をおこなっているところ。メルコスール観光局東京事務所長のジェオルトン・ブランキニョ氏によると、観戦ツアーの販売は予想していたほどには伸びていないものの、「旅行会社からは『6月や7月に入ってから増加するのでは』と楽観的な意見を聞いている」という。なお、メルコスールによれば取材で訪問する日本のメディアは約1000人に上る。

 そのほか、ヘイス氏はブラジルなどで拡大し、世界保健機関(WHO)が今年2月に緊急事態宣言を発出したジカ熱についても言及。ブラジル保健省が30万人を動員して蚊の駆除に注力していることを説明し、「大きな問題ではない」と語った。