観光庁、入れ墨客の入浴に対応策、シール貼付など

  • 2016年3月22日

 観光庁はこのほど、昨年10月に国内の温泉施設を対象に実施した、入れ墨(タトゥー)のある訪日外国人旅行者への対応に関する実態調査の結果を踏まえ、留意点や対応事例を取りまとめた。具体的な対応策としては、シールなどで入れ墨部分を覆う、家族連れが少ない時間帯に入浴してもらうなど、入浴者に一定の対応を求める方法や、貸切風呂などを案内する方法などを提案した。

 観光庁では今後、業界団体などを通じて全国の入浴施設に周知するほか、警察庁や厚生労働省を通じて、全国の警察署や保健所などにも情報を発信する。また、外国人旅行者へは日本政府観光局(JNTO)や各旅行会社のホームページやパンフレットなどを通じて、日本では入れ墨に対して独特なイメージがあること、入れ墨をしている人は一定の対応を求められる場合があることなどを説明する。

 同庁では、外国人と日本人の間には入れ墨に対する考え方に違いがあるため、「一律の基準を設けることは困難」と説明。ただし訪日外国人旅行者が急増しているため、入浴施設と旅行者との間でトラブルが発生しないよう、各施設で対応を改善する必要があるとしている。

 また、入浴施設に対しては、外国人は宗教や文化などさまざまな理由で入れ墨をしている場合があることや、入れ墨によって衛生上の支障は生じないことに留意するよう要望。入浴施設と旅行者が相互に理解を深めることなども求めている。