15年の宿泊業倒産は2件増の85件、地方の小規模ホテル中心

  • 2016年1月14日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2015年(15年1月~12月)の宿泊業の倒産件数は前年比2件増の85件だった。負債総額は前年比40.8%増の539億8100万円。東日本大震災関連の倒産は前年から5件減少し、11件となった。

 TSRによれば倒産した企業の多くは、東日本大震災以降の業績低迷から抜け出せない企業や、事業再生のために特別清算や民事再生などの法的整理を申請した企業。業績が低迷している企業については、地方の小規模なホテルや旅館がほとんどで負債額は少なく、破産が多かったという。

 法的整理を申請した企業については、事業再生に向けた新会社を設立し、ホテルや旅館事業を新会社に譲渡した上で、旧会社を精算するケースが多かったという。特別清算による倒産は全体の27%を占める23件で、前年からは15件増加した。

 12月単月の倒産件数は3件増の8件。このうち3件が特別清算で、いずれも事業再編における債務整理だった。負債総額は92.4%増の28億2000万円と大幅に上昇した。

 なお、15年の旅行業の倒産件数は11件減の26件で、負債総額は45.0%減の28億2900万円となった。旅行業の詳細は別途記載(下記関連記事)。