ANAセ、「シニアのための修学旅行」発売、旅で活力回復へ

  • 2015年8月17日

 ANAセールスはこのほど、新商品「シニアのための修学旅行 網走の旅」を発売した。ターゲットは、老化や病気などで旅に出ることをあきらめている「ノンアクティブ」なシニア層。ツアーでの体験を通して、参加者が活力を取り戻すきっかけづくりをめざす。

 同商品は、ANAグループ全体でチームを作り、新しい企画を立ち上げる「ANAバーチャルハリウッド」の企画として、2013年に大阪の客室乗務員による発案をきっかけに誕生。企画チーム内で話し合いをおこない、祖父母を旅行に連れて行くという仮定のもと設定した。実施時期は暑すぎず寒すぎない初秋とし、グループ関係者などを招いたトライアルツアーを経て、今回初めて商品化した。

 ツアー参加者の対象は、障がいの有無にかかわらず、基本的に1人で身の回りのことができる人。過去のトライアルツアーでは、右半身が不自由だが普段は杖を使用し、階段の昇り降りが自力でできる人も参加しており、空港や網走監獄など、長時間歩く必要がある場所は車椅子を使用したという。また、透析をしながらツアーに参加した人もいたといい、申込時に相談を受け付けるとした。ツアーには4人に1人の割合で、全日空(NH)の客室乗務員経験者のスタッフが同行し、参加者のサポートを実施する。

 ツアーでは慶成会老年学研究所監修のもと、自分の現在、過去、未来を見つめなおす時間を共有する「回想法」を体験する機会を設けた。さらに、初日の夜にはゲーム大会を実施。野菜の収穫体験や、有料で網走での乗馬体験を用意したほか、希望者を対象に、NHのパイロットや客室乗務員の制服を着て写真を取る撮影会もおこなう。このほか、あばしりネイチャークルーズや、網走監獄博物館の見学などもツアーに盛り込んだ。

 ツアーは9月13日出発の2泊3日で、20名限定。東京発、大阪発、現地参加の3パターンを設けた。旅行代金は、東京発が15万円から16万7000円、大阪発が16万7000円から18万4000円、現地参加が11万5000円から13万2000円。なお、今後は11月下旬に第2弾として、沖縄でのツアーを計画中だ。