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香港、「アガる」旅行先の提案、超豪華キャンペーンも

  • 2015年6月30日

商談会に参加したバイヤーとセラー 香港政府観光局(HKTB)は5月末、香港で日本市場限定の商談会「コントラクト香港」を開催し、また全世界を対象とした夏の大型キャンペーンの実施を発表した。香港への旅行者数は、昨年の民主化運動などで日本に限らず伸び悩んだが、4月からは回復に転じているところ。商談やキャンペーンはさらなる回復や成長をめざすもので、特に後者は総額8億香港ドル(約120億円)もの規模だ。

 商談会では、日本から参加した企画担当者らバイヤー41名と、現地のセラー98名が延べ約800回の商談を実施。HKTB本局の旅行業界担当シニアマネージャーであるジェームズ・タン氏と日本局長の堀和典氏によると、ホテル客室の増加によって良い取引条件が提示されやすくなっているほか、アクティビティなども、日本市場でのプロモーション方針に合わせて文化や伝統をフックにした内容が提案されたという。

 堀氏は日本市場におけるレジャー需要喚起の基本的な戦略として、消費者の耳目を集める情報発信を強化する考えを説明。消費者の興味を引くことでそれに対応する旅行商品の販売につなげようとするもので、旅行会社向けにはFAMツアーやセミナー、香港スペシャリストプログラムなどにより情報提供や教育の体制を強化していく。

(左から)ジェームズ・タン氏、堀和典氏  現在のプロモーションは「アガる香港」をテーマとしたもので、気持ちや運気が高まる旅行先である点をアピール。特に、昨年度に力を入れた食に加えて、「ヘリテージ&トラディション」と題し、東西文化の混在や伝統と革新、風水の開運スポットといった側面を打ち出している。

 また、消費者の目線を重視し、お勧め情報の投稿キャンペーンも実施しているところで、その結果は街歩きマップとしてまとめる。マップはデジタル化するほか、旅行会社の店頭などで配布できるよう印刷もする。堀氏によると、「9月のツーリズムEXPOジャパンあたりで発表したい」といい、その後はさらに実際にマップを持って香港を訪れた旅行者のクチコミを集める計画だ。

 また、SITの需要獲得も進める。例えばスポーツでは、香港国際マラソンはすでに1000名規模の日本人が参加しており、2016年は1200名への増加をめざす。また、ハイキングやトレッキングなどの魅力も引き続きアピールしていく。