メキシコ、14年は日本人2桁増-シェフ招き伝統料理アピール

  • 2015年3月17日

メキシコ観光局駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏  メキシコ観光局は3月16日、メキシコ大使館に旅行会社の担当者などを招き、「メキシコ最新情報+美食観光セミナー」を開催した。駐日代表のギジェルモ・エギアルテ氏は冒頭の挨拶で、日本人訪問者数が2014年も好調に増加を続け、空路による入国者は11%増の約10万8000人に達したことを報告。出席者に謝意を示した。

 メキシコには近年、自動車会社などを中心に多くの日系企業が進出しており、観光に加えて業務渡航の需要も大きく拡大。アエロメヒコ航空(AM)は昨年4月に週4便への増便をおこなったほか、9月にはメキシコシティ発成田行き便の経由地をティファナからモンテレイに変更して利便性を高め、業務渡航者の好評を博している。

 エギアルテ氏によれば、米国などからの陸路の入国者や海路の入国者も含めた場合、2014年の日本人訪問者数は2013年の10万人超を大きく上回る12万人超に及ぶという。2015年については現在の好調を持続し、14万人にまで引き上げたい考え。そのうち空路による入国者は12万人を見込むとした。

ワカモーレの料理法を披露する「サルシータ」の森山光司氏(左)  この日のセミナーではエギアルテ氏が、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録された同国の伝統料理を中心に、メキシコの食文化を紹介。また、東京・南麻布でメキシコ料理店「サルシータ」を経営する森山光司氏が、シェフとしての立場からメキシコ料理の魅力について説明した。メキシコ観光局では過去にも食文化に関するセミナーを実施しているが、シェフを招いて実施したのは今回が初めて。森山氏は、メキシコ料理で主要な役割を果たすアボカドのディップ「ワカモーレ」の料理法も実演した。

セミナー終了後には、参加者にさまざまな料理が振る舞われた  森山氏はメキシコ料理について、「米国のファストフードなどの影響により大きく誤解されているが、本来の姿は先住民文化とヨーロッパ文化がミックスされたもの」と説明。今後については、「現地の味を知りたいと思う人を開拓するため、レストランの側からも魅力を提示していきたい」と述べた。また、伝統料理だけでなく、メキシコシティなどの高級レストラン事情についても伝え、「海外で修業した料理人が、伝統を踏まえた新しい料理に挑戦している。味もプレゼンテーションも素晴らしい」と評価した。

▽観光ピーアール施設を日本に誘致、来年9月頃視野に
 そのほかエギアルテ氏は、世界各国を巡回中の観光ピーアール施設「Encuentrate con Mexico(エンクエントラテ・コン・メヒコ)」を、来年に日本でも公開したい考えを明らかにした。時期については、「ツーリズムEXPOジャパン」の開催が見込まれ、メキシコの独立記念日が含まれる9月頃が候補に挙がっているという。「Encuentrate con Mexico」は、一般の旅行者向けにメキシコ観光の魅力を伝える移動式のパビリオンで、昨年夏にマドリードで初めて公開し、その後は北京やロンドンで公開している。今後は欧州諸国を巡回する予定。