HIS、2Qの営利は38.4%増-米国、欧州など好調

  • 2014年6月8日

 エイチ・アイ・エス(HIS)の2014年10月期第2四半期(2013年11月1日~2014年4月30日)の連結業績で、売上高は前年比12.5%増の2526億3400万円、営業利益は38.4%増の83億8100万円、経常利益は22.9%増の96億4100万円となった。いずれも過去最高となり、売上高と経常利益は4期連続、営業利益は3期連続で過去最高を更新した。一方、純利益は6.9%減の43億6000万円で、ハウステンボスの繰越欠損金の解消による税金費用の増加が影響した。

 売上高の伸びに比べて利益面が大きく伸長したことについて、代表取締役社長の平林朗氏は、アメリカ、ヨーロッパ、ハワイ方面の好調が、政情不安などによるアジア方面の低迷をカバーし、結果として客単価の上昇が見られたことなどを要因に挙げた。海外旅行の1人あたり単価は、前年同期の約11万7000円から約13万円にまで増加したという。このほか、テーマパーク事業の好調なども寄与したとした。一方で、アジアを中心とした外交問題や情勢不安、円安の影響などから、通期の業績予想については前回発表から据え置きとした。

 旅行事業の売上高は11.7%増の2242億6000万円、営業利益は9.2%増の39億7700万円。日本発の海外旅行事業では、新たに開始した自由旅行の現地サポートサービス「旅先コンシェルジュ」の拠点拡大などを実施。

 また、バチカン美術館など人気施設の貸し切り鑑賞プランを組み込んだ商品の拡充や、羽田の発着枠増加に伴う新コースの造成、各地区発着チャーター便の積極活用などにも取り組んだ。滞在プランの内容を充実させた高付加価値商品の販売にも注力し、観光庁の取りまとめる主要旅行会社57社の海外取扱額シェアは約17%にまで達したという。

 販売チャネルでは、全国のショッピングセンターを中心に新たな営業拠点を設けたほか、首都圏未進出エリアへの出店、繁忙期の需要に応じた期間出店など、店舗網の拡充をおこなった。オンライン販売では、「航空券+ホテル」サイトでオプショナルツアーや送迎手配の同時予約を可能にしたほか、SNSを活用した商品の配信などを強化した。

 団体旅行は大型団体旅行の受注が増加したほか、五輪応援ツアーの取り組みなども奏功し、好調に推移。法人旅行は包括契約を推進するなど、取引先企業の出張需要が回復基調にあり、堅調に推移した。このほか国内旅行では、沖縄の離島の特別企画や、LCCを利用したコースの拡充を実施。千葉や埼玉など新たな発着地を設定したバスツアーの拡販にも注力した。

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