女性独自の視点で業界発展へ、環境整備の課題も-JATA経営フォーラム

  • 2014年4月24日

女性はチャレンジ精神と専門性で勝負
女性らしさを活かした「おもてなし」も

楽天ANAトラベルオンライン代表取締役社長の種家純氏 分科会では旅行業界で働く女性という観点から、女性が活躍する上で心がけるポイントや、仕事に女性の強みをいかに活かすかという観点でも議論がなされた。楽天ANAトラベルオンラインの種家純氏は、自身の経験を踏まえ、チャレンジ精神と専門性が女性が働く上で必要なことではないかと語った。種家氏は1989年、全日空(NH)の勤務地限定の特定地上職として入社。本社異動をきっかけに「初めて自分の職種に限界を感じ、限定職でなく、より広い知識を得て経験を積みたい」と思い、総合職の試験にチャレンジしたという。

 その後は国際線のレベニューマネジメントを担当。国際線のイールドマネージメントシステム導入プロジェクトに関わりながら専門的な知識を高めていったという。種家氏は「高い専門性を持つ人材は会社にとって重要。女性にとっても自信を持って語れる分野があるのは強みになる」と話した。

 ただし、種家氏は専門性を高めることも重要だが、広く会社全体を見ることも忘れてはならないポイントであると指摘。スターツ出版の菊地修一氏も、「女性は専門職で能力を発揮しがちだが、メンバーを束ねるリーダーシップをつけてもらえると、(女性が)子育てしながら働ける社会になるのでは」と話した。

銀座なでしこ会代表を務める白坂企画の白坂亜紀氏 また、銀座で飲食店を経営し、女性経営者や幅広い分野で活躍する女性たちの集まり「銀座なでしこ会」の代表を務める白坂亜紀氏は、女性の働き方について「今はすっかり男女平等になったが、女性が頑張りすぎているのでは」と指摘。例えば力仕事は女性がいくら頑張っても男性の得意分野であるため評価されにくいとし、「女性にしかできない仕事はたくさんある。男と同じ仕事ではく、女性らしい姿で女性にしかできないことに取り組んでもらいたい」と説いた。

 同氏は仕事に女性ならではの細やかな気配りを活かすことを提案。「深い部分での気づきや優しさ、思いやりの部分が得意なのが女性。女子力を発揮して、東京オリンピックに向けて日本の女子力、おもてなし力を知っていただけるような旅行商品を作ってもらいたい」と呼びかけた。モデレーターの伊豆芳人氏も、旅行業界の発展のためには「女性が持っている新しい、男性とは違う知恵、視点、感性、リーダーシップを活かしてほしい」と語った。