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若手社員が語る業界の魅力、学生向けJATA業界研究セミナー

  • 2013年9月24日

旅行業界とはどんなところ
自分だけのサービスを考える

日新航空サービスの田中氏

 次は「旅行業界とは」を率直に語ってもらう質問。ポジティブな面では「現地、エアラインなど顧客以外にもたくさんの人とのつながりが持てる」(白澤氏)、「モノではなく、瞬間の楽しさや興奮をお客さまと共有できる」(中村氏)、「配属先によって自分の興味のなかった場所でもよく知る機会があり、その魅力がわかってくる」(大津氏)ことなど。

 一方、ネガティブな面を聞くと「実は地味な作業も多い」(田中氏)や、「感染症の流行や天災など世の中の流れがすべて影響してしまう」(吉野氏)といった答えがあった。後者については浅井氏も、「自分たちが何もしていないのに世界経済にすら左右されるのが旅行業界。そこが厳しいところ」と同調した。

KNTの中村氏

 そんな旅行業界に就職を希望する学生へのアドバイスも。大津氏は「いろいろな業界の人と話しをして」とコメント。また、中村氏は「ホスピタリティ業界なので、常に友人や他人を思いやり気にかけるというクセをつけておく」ことが望ましいという。

 これを受けて浅井氏は「就職活動は異業種の人々と接するチャンスだが、実際に就職すると同業種の人としか話をしなくなる。しかしさまざまな業種の顧客がいるわけで、異業種の人々と接しておくことは必ず後で糧になる」といい、サービスとは何かを考え「自分だけができるサービスに役立てて」と話した。

エヌオーイーの白澤氏

 なお、冒頭の矢嶋氏も、華やかなイメージと現実は異なる可能性を指摘したが、むしろ「夢を持って旅行業界に入ってきてほしい」と強調。自身もバス旅行に憧れて日本旅行に入社しており、実際に自動車会社と交渉してバス旅行用の車体を開発してもらい、大人気ツアーを造成したことが旅行業界で働く大きな醍醐味となったという。

 現実と夢とのバランスが重要であり、矢嶋氏のバスツアーの成功も「入社後1年で成し遂げたわけではない。10年経って初めてできたこと」。一朝一夕に思い通りになるものではないが、熱い思いを商品化、メガヒットという形で実現することは十分可能だといい、過渡期にある旅行業界であるものの夢を持ってこそ魅力を体感できると話した。

取材:岩佐史絵