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海外ツアー、第3四半期は米国など好調-今後は間際に期待

  • 2012年10月24日

 日本旅行業協会(JATA)が大手旅行会社7社に実施した、海外募集型企画旅行の取扱実績と予約状況調査(人員ベース)によると、7月から9月の全方面合計の取扱実績は、7月は前年並み、8月は前年比5.5%増と前年を上回ったが、9月は5.1%減と減少した。

 方面別では北米やハワイ、グアム、サイパンが家族層を中心に好調で、3ヶ月連続2ケタ増となった。タイも3ヶ月連続増加しており、安定的に成長しているとの見方だ。一方、タイを除くアジアは韓国を中心に減少、中国も尖閣問題の影響で44.5%減と大幅に減少した。

 10月から12月の全方面合計の予約状況は、3ヶ月連続前年を下回った。10月は14.5%減、11月は15.1%減となり、直近の予約が鈍化傾向にあるという。しかし、12月は年末年始が最大9連休になるという日並びの良さから、長距離方面を中心に予約が好調に推移し、1.1%減と微減に留まった。

 方面別の予約状況では、ハワイ、グアム、サイパンが好調で、アメリカ、カナダなどの長距離方面も増加。JATAによると、新規路線の就航や年末年始のチャーター便など、座席供給量が増えたことが奏功しているという。タイを除くアジアや中国については、減少が続く見通し。

 ただし、JATA企画広報・グループマネージャーの勢子浩之氏によると、領土問題の影響などによるキャンセルは10月初旬に出きったとの考えで、今後の間際予約に期待できると説明。例えば韓国では、旅行会社の中から広告を再開して販促キャンペーンを実施する動きも出てきているという。また、韓国観光公社(KTO)が民間交流を強化しようと意欲的でJATAとの話し合いの機会を設けているほか、10月29日には函館で第27回日韓観光振興協議会も開催される予定だ。