JATA菊間新会長、「大きなうねり」で改革へ-基本路線は踏襲

JATA会長に就任した菊間潤吾氏 日本旅行業協会(JATA)の会長にこのほど就任したワールド航空サービス代表取締社長の菊間潤吾氏は、6月22日に開催した就任会見で、「いきなり旗振りは難しい。いろいろな委員会を作り全体の議論を経て、突っ走るのではなく大きなうねりとして改革していきたい」との考えを示した。

 基本的にはすでに決定した2012年の事業計画に基づき、前会長の金井耿氏の路線を踏襲する形で進めていくが、事業計画の具体的な部分について、各委員会で詳細な内容をつめていく考え。現行の問題点やビジョンの共通認識を持った上で、組織一丸で計画を進めていく方針だ。

 また、JATAでは今回の役員改選にともない新たに政策検討特別委員会を立ち上げており、来年度に向け同委員会でJATAの活動全般の見直しをはかる。10月までに政策検討特別委員会で検討内容を取りまとめ、当該委員会と内容についてさらに協議していく考え。来年度の活動方針に組み込むとともに、進めるべき課題は順次推進していくとした。

 JATA会長に中小旅行会社の社長が就任するのは1995年以来のこと。菊間氏は「社長業をしている、現場に直結している人間だから早くジャッジできる」ことを活かしたいと述べた。また、就任以来中小旅行会社などさまざまな旅行会社から激励のメッセージを受け取ったが、メッセージから「JATAは一般会員にとっては遠い存在なのでは」と感じたとし、今後は「JATA会員の声があがってくるような仕組みづくりをおこなっていきたい」考えだ。

 さらに、このたび副会長に就任したジェイティービー(JTB)代表取締役社長の田川博己氏と、近畿日本ツーリスト(KNT)代表取締役社長の吉川勝久氏との協力体制を強調。JATAの存在感を高め、国の政策に対し意見を述べるためには「日本を代表する人に(脇を)固めてもらわないと、JATAの重さ、強さは出てこない」との考えから、「今まではJATAの会長というと一番看板的なものがあったが、我々は3名で進めていく」とした。

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