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震災後の訪日旅行への期待、「食」「買物」など減少、「もてなし」は向上

  • 2011年8月3日

 リクルートのじゃらんリサーチセンターが実施した、「訪日旅行の訪問地満足度調査」によると、震災後の訪日旅行に期待することとして、「旅行地での飲食を楽しむ」(88.6%)とトップとなった。同調査は、韓国、台湾、中国本土のアジア3地域を対象に実施したもので、調査期間は2011年5月25日から6月9日。それぞれ過去3年以内の観光での訪日経験者を対象としており、市場別に1000人の回収結果を集計している。

 2位以下は「宿泊施設の利用や滞在を楽しむ」(88.5%)、「旅行地での買い物を楽しむ」(85.9%)、「現地での写真やビデオ撮影を楽しむ」(84.7%)、「観光地での気持ちよいもてなしを楽しむ」(84.4%)となった。その他の「観光地でのアクティビティを楽しむ」「観光地でのわかりやすい移動を楽しむ」(双方とも84.2%)と、いずれの項目も80%以上と期待値が高い。

 ただし、今回の調査結果と日本政府観光局(JNTO)が実施した「訪日外客訪問地調査」の過去3年分の平均値を比較すると、期待値が最も大きかった「飲食」は7.4ポイント減、3位の「買い物」は5.5ポイント減と大幅に減少。特に飲食で期待が下がったものは「日本食」(震災後の期待値:74.1%、過去平均値との比較:12.8ポイント減)が最も減少幅が多かった。このほか、「スイーツ・おかし」(34.5%、9.3ポイント減)、「新鮮な海産物」(38.8%、8.8ポイント減)、「訪問地の郷土料理」(44.3%、5.4ポイント減)と、もともと人気の高い項目での減少が目立つ。

 逆に、過去の期待値より増加したのは「宿泊施設の利用や滞在」(6.2ポイント増)と、「もてなし」(5.6ポイント増)。特に「宿泊の利用や滞在」では、「日本のペンション/民宿などくつろげる施設での会話」(17.4%、5.7ポイント増)、「プール~きれいさ、人の少なさなど」(16.4%、2.7ポイント増)と、従来は注目が少なかった部分の期待が高まった。このほか期待が上がったのは「客室露天風呂」(30.6%、1.6ポイント増)、「サービス」(37.0%、0.2ポイント増)。それ以外は、「大浴場、露天風呂」(54.8%、3.7ポイント減)、「清潔感」(43.8%、3.7ポイント減)、「日本式旅館の体験」(41.3%、4.8ポイント減)など、もともと期待値の高い項目が減少した。