破産の海外旅行開発が債権者集会を開催-債権者への配当は困難か
2011年3月7日付けで破産を申し立てた第3種旅行業者の海外旅行開発が7月12日、債権者集会を開催し、保全管理や破産手続きについての進捗状況が話された。これによると、海外旅行開発が抱える負債は約2億円であるものの、破産手続きを開始した3月31日から7月12日までの破産財団(破産者が破産手続き開始決定時に有する財産)は約2780万円で、債権者への配当は困難な状況だ。
海外旅行開発は3月7日に破産申し立てをおこなったものの、すぐに破産開始決定が発令されず、保全管理命令が発令されることとなり、3月8日に保全管理人が選任された。これは、旅行中もしくは出発を控えた顧客へ対応するためで、手続開始まで保全管理人を選任。その管理下で、受注済みの手配旅行にかかるチケット発券や、主催していた1件のバスツアーの催行実施、受託販売中だった海外マラソンツアーについての催旅行会社との引継ぎを実施。さらに、3月11日に起こった東日本大震災の影響で、多数の予約キャンセルが発生したこともあり、その処理に対応していた。
その後、3月31日に破産手続の開始決定が発令され、破産管財人弁護士には保全管理人としても選任されていた弁護士の早川学氏が就任。日本旅行業協会(JATA)への保証金返還請求や、売掛金、取引保証金などの各種資産の換価、回収などの処理を進めていた。こうした業務を通じ、海外旅行開発が締結していた旅行契約について、その履行を完了する、もしくは返金などの処理も終え、旅行契約者へは経済的な損害を与えることは回避したが、公租公課が約142万円、労働債権が約1972万円、破産手続きに関する費用は今後確定するものの、破産財団の現在残高は約2780万円で、今後大幅な増殖は期待できないとし、債権者の配当について困難との見通しを示している。
なお、届け出た債権者は同社会員組織アビオンクラブ会員20名を含む37名だった。