アクセスランキング、1位はGW需要−街に出て明るさ感じる
今週のアクセスランキング1位は、成田空港のゴールデンウィーク(GW)の出入国者数が前年比48.0%減となる見込みであることをお伝えした記事でした。記事中、中部空港の予約状況は15.4%減であることも触れており、東日本地域の海外旅行需要が大きく打撃を受けていることが見て取れます。一方、5位の日系航空会社2社のGW予約状況に関する記事では、国際線は19.3%減となっており、日本全体としての落ち込みはこの程度と考えられそうです。
よく「数字が独り歩きする」と言われるように、“何割増”“何%減”といった数字の捉え方は多様で、今回の2割の減少もどのように評価するかは考え方次第でしょう。しかし、例えば成田の2010年の出入国者数は4.7%増と悪い数字ではありませんし、思ったよりも多くの方が海外に出られるんだなと感じています。
その意味では、日系2社の国内線予約数も同じく2割減ですが、未曾有の国難であることに誰も疑いを持たないような状況下にしては、2割減に“留まって”いると言って良いのではないでしょうか。予約数は出張やレジャー、団体旅行などの区別ができないとはいえ、旅行需要は底堅い、あるいは西日本地域の需要には大きな影響が出ていないと期待したいところです。
実は、金曜日のお昼過ぎに、観光による復興支援を何度も呼び掛けている身としてGW中に東北を旅行しようと思い立ち、池袋にある旅行会社店舗を訪れたのですが、店内は海外、国内のカウンターともかなり混み合っていました。また、池袋には宮城県のアンテナショップがあるのですが、そちらのレジにも長蛇の列。さらに、公園で開催されていた東北物産展のチャリティーイベントも賑わっており、繁華街の人出の多さも含めて明るさを感じた1日でした。
ただし、被災地の皆様からの投稿(リンク)を思い起こすと、こうした明るさや取り組みが果たしてどこまで本当に苦しんでいる方々に届くのか、その答えを見出すことは困難です。被災地域のある読者の方は、ご自身の地域の観光協会が始めた旅館支援の温泉宿泊プラン(割安、特典付き、直接予約のみ)が、「旅行会社の首を絞めるような企画」と表現されていました。
ミクロ的な個々の企業、事業所、あるいは個人の“明日”と、マクロ的な旅行業界、観光業界、ひいては日本全体の“未来”――。本来は前者が後者の前提となるべきではないかと思いますが、往々にして後者に目が行きがちです。“最大多数の最大幸福”に向けて、このような状況において“最大多数”から漏れてしまいかねない人をどうすべきか、言葉遊びのようですが、業界全体で考えなければならない問題でしょう。
個人的には、日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏が常々語られているように“旅行”は普遍的なものですから、旅行業界は(形はどうあれ)何があっても存在し続けると考えています。ラジカルな言い方をすれば、旅行業界誌などなくとも旅行業界は続くはずです。であればこそ、今は業界誌としてミクロ的な要素に目を向け、“旅行業界で働く方が、1人でも多く笑顔で明日を迎えられる”よう、情報流通に寄与していきたいと考えています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年4月第5週:4月25日2時〜4月28日18時)
第1位
◆成田、GWの出入国48%減予測−中部予約数は15%減、震災影響に差(11/04/26)
第2位
◆成田と羽田の運休・減便容易に−国交省、発着枠規制を一時緩和(11/04/25)
第3位
◆中国南方航空、国際線ネットワーク拡大へ−乗り継ぎ需要強化はかる(11/04/26)
第4位
◆エミレーツ航空、F、Cクラス利用者へドバイでの宿泊を無償提供(11/04/25)
第5位
◆日系2社、GWの予約数は19.3%減−間際予約が増加(11/04/25)
第6位
◆海外旅行者数は4月半ばで底打ち、通年での見通しは厳しく−JTBF調査(11/04/26)
第7位
◆JTB関西、大阪市内に3店舗を新規開店−駅起点の商業施設内に(11/04/25)
第8位
◆インタビュー:阪急阪神ビジネストラベル西日本営業本部長の坂東哲夫氏(11/04/25)
第9位
◆トップインタビュー:トルコ航空日本支社長 トゥーバ・トプタン・ヤブズ氏(11/04/26)
第10位
◆チャイナエアライン、関空/ニューヨーク線就航−関空初の米国東海岸直行便(11/04/28)
よく「数字が独り歩きする」と言われるように、“何割増”“何%減”といった数字の捉え方は多様で、今回の2割の減少もどのように評価するかは考え方次第でしょう。しかし、例えば成田の2010年の出入国者数は4.7%増と悪い数字ではありませんし、思ったよりも多くの方が海外に出られるんだなと感じています。
その意味では、日系2社の国内線予約数も同じく2割減ですが、未曾有の国難であることに誰も疑いを持たないような状況下にしては、2割減に“留まって”いると言って良いのではないでしょうか。予約数は出張やレジャー、団体旅行などの区別ができないとはいえ、旅行需要は底堅い、あるいは西日本地域の需要には大きな影響が出ていないと期待したいところです。
実は、金曜日のお昼過ぎに、観光による復興支援を何度も呼び掛けている身としてGW中に東北を旅行しようと思い立ち、池袋にある旅行会社店舗を訪れたのですが、店内は海外、国内のカウンターともかなり混み合っていました。また、池袋には宮城県のアンテナショップがあるのですが、そちらのレジにも長蛇の列。さらに、公園で開催されていた東北物産展のチャリティーイベントも賑わっており、繁華街の人出の多さも含めて明るさを感じた1日でした。
ただし、被災地の皆様からの投稿(リンク)を思い起こすと、こうした明るさや取り組みが果たしてどこまで本当に苦しんでいる方々に届くのか、その答えを見出すことは困難です。被災地域のある読者の方は、ご自身の地域の観光協会が始めた旅館支援の温泉宿泊プラン(割安、特典付き、直接予約のみ)が、「旅行会社の首を絞めるような企画」と表現されていました。
ミクロ的な個々の企業、事業所、あるいは個人の“明日”と、マクロ的な旅行業界、観光業界、ひいては日本全体の“未来”――。本来は前者が後者の前提となるべきではないかと思いますが、往々にして後者に目が行きがちです。“最大多数の最大幸福”に向けて、このような状況において“最大多数”から漏れてしまいかねない人をどうすべきか、言葉遊びのようですが、業界全体で考えなければならない問題でしょう。
個人的には、日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏が常々語られているように“旅行”は普遍的なものですから、旅行業界は(形はどうあれ)何があっても存在し続けると考えています。ラジカルな言い方をすれば、旅行業界誌などなくとも旅行業界は続くはずです。であればこそ、今は業界誌としてミクロ的な要素に目を向け、“旅行業界で働く方が、1人でも多く笑顔で明日を迎えられる”よう、情報流通に寄与していきたいと考えています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年4月第5週:4月25日2時〜4月28日18時)
第1位
◆成田、GWの出入国48%減予測−中部予約数は15%減、震災影響に差(11/04/26)
第2位
◆成田と羽田の運休・減便容易に−国交省、発着枠規制を一時緩和(11/04/25)
第3位
◆中国南方航空、国際線ネットワーク拡大へ−乗り継ぎ需要強化はかる(11/04/26)
第4位
◆エミレーツ航空、F、Cクラス利用者へドバイでの宿泊を無償提供(11/04/25)
第5位
◆日系2社、GWの予約数は19.3%減−間際予約が増加(11/04/25)
第6位
◆海外旅行者数は4月半ばで底打ち、通年での見通しは厳しく−JTBF調査(11/04/26)
第7位
◆JTB関西、大阪市内に3店舗を新規開店−駅起点の商業施設内に(11/04/25)
第8位
◆インタビュー:阪急阪神ビジネストラベル西日本営業本部長の坂東哲夫氏(11/04/25)
第9位
◆トップインタビュー:トルコ航空日本支社長 トゥーバ・トプタン・ヤブズ氏(11/04/26)
第10位
◆チャイナエアライン、関空/ニューヨーク線就航−関空初の米国東海岸直行便(11/04/28)