地震、旅行業登録の有効期間延長−被災地限定、8月31日まで

  • 2011年3月23日
 観光庁は、東北地方太平洋沖地震で被災した地域の旅行会社を対象に、旅行業登録の有効期間を延長することを決めた。3月23日付の官報で告示する。対象となるのは、東北地方太平洋沖地震によって災害救助法が適用された区域に主たる営業所を構える旅行会社が中心。具体的な対象区域は、岩手県、宮城県、福島県、茨城県のほか、青森県、栃木県、千葉県、新潟県、長野県のうち、災害救助法が適用された区域だ。延長後の有効期間満了日は、対象旅行会社のもともとの有効期間に関係なく、一律で2011年8月31日とする。

 観光庁によると、同様の措置は阪神淡路大震災の際にも実施。旅行業登録の更新時には申請書類を2ヶ月前に提出する必要があるが、営業所が津波によって流されるなど被害を被った旅行会社があるため、延長を決めたという。また、登録更新時には、資産合計額から負債合計額と弁済業務保証金分担金の額を差し引いた額が、第1種旅行会社であれば3000万円、第2種であれば700万円、第3種であれば300万円以上である必要があり、資金繰りの時間的猶予も見込める。

 一方、対象地域外の旅行会社でも、旅行のキャンセルが相次いで大きな打撃を受けているが、今回は対象外。より広範な救済措置については、3月22日現在検討していないという。過去には、中小企業庁が、リーマン・ショック後の中小企業の資金繰り支援を目的に開始した緊急保証制度で、旅行業を対象として選んだ例もあった。

 なお、観光庁では、災害救助法の適用地域が追加される可能性があるため、厚生労働省の報道発表(下記リンク)を随時確認するよう求めている。


▽厚生労働省、報道発表ページ
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014j15.html

▽地震関連情報一覧
リンク


▽関連記事
ANTA二階会長、旅行会社に緊急融資や助成措置を検討−風評被害の懸念示す(2011/03/17)
旅行業も緊急保証制度の対象に−経産省が追加指定、添乗サービスなども(2008/11/12)