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TCSA、ツアーキャンセル拡大を懸念−共済会加入者に無利子貸付を検討

  • 2011年3月18日
 日本添乗サービス協会(TCSA)は3月17日、プレスインタビューを開催した。TCSA会長の山田隆英氏は、今回発生した東北地方太平洋沖地震により「国内外ともにツアーのキャンセルが続いている。恐らくこうした状況は長続きするではないか」と述べ、ツアーのキャンセルが会員各社や添乗員の生活に与える影響について懸念を示した。今後は義援金や、TCSA共済金加入者に対する無利子貸付など対策を検討していく考えだ。

 山田氏によると、全体の状況は不明だが、全国で国内旅行、海外旅行問わずツアーのキャンセルが相次いで発生しており、国内旅行では多い会社で9割がキャンセルとなったケースもあるという。また、TCSA専務理事の三橋時滋子氏によると、傾向として東北地方はもちろん、首都圏でも多くのキャンセルが発生。大阪以西は比較的キャンセルは少ない様子だ。海外旅行では予約の約半数がキャンセルになる会社もあり、全国規模の法人による大型インセンティブが取りやめになるケースも発生しているという。

 山田氏はこうした状況下で「各会員は苦境に立つと思うが、協会としてできる限り今後の復興を支援していきたい」と意気込みを述べた。今後は理事会や運営管理委員会と相談して対策を実施していく。同日開催された第25回通常総会では義援金の実施について意見が上がったという。また、TCSAでは1995年の阪神淡路大震災発生時に、TCSA共済金に加盟している添乗員や社員に対し、1口5万円を2口を限度とし、無利子で貸付する特別措置を実施した経験がある。今回の地震でも実施を検討していく考えだ。

 なお、TCSAによると、会員の中で被災地に本社を置く会員はいないが、仙台に支店がある会社が6社あった。地震の被害を受け倒壊した事務所もあったが、3月17日現在、社員と添乗員の無事が確認できているという。


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