アクセスランキング、1位はニュージーランド地震−情報流通に関する一考察

  • 2011年2月26日
[総評] 今週のアクセスランキングは、ニュージーランドのクライストチャーチで発生した地震の記事が1位になりました。一般報道によると、110名以上の方が亡くなり、不明者が約200名、日本人も26名の安否が依然として確認されていないようです。不明者の方の無事と亡くなられた方のご冥福をお祈りしています。また、ニュージーランドは旅行需要が回復基調であっただけに影響が懸念されます。こうした天災の際によくいわれることですが、現地を旅行で訪れることが復興支援になりますから、影響が長く尾を引かないように願うばかりです。

 さて、個人的な話ですが今回の取材中、インターネットの存在感を改めて思い知らされました。特に、クライストチャーチ空港によるツイッターの活用(リンク)と、グーグルによる関連情報のまとめページ(リンク)は、情報を迅速かつ簡単に取得ができるというインターネットの利点を明確に感じました。ツイッターについては、昨年の欧州での火山噴火の際にもヒースロー空港などが活用し、空港の閉鎖解除を待つ旅行者とコミュニケーションを取っていましたが、従来のインターネットでの情報発信と異なるのは、双方向(あるいは多方向)であり、さらに更新を容易に知ることができる点でしょう。

 このような動きを目の当たりにすると、メディアとして自らの役割を考えさせられますが、旅行会社にとっても一つの転換期といえるかもしれません。旅行会社はかつて「旅行」の流通とともに「旅行情報」の流通も担ってきたわけですが、インターネットの浸透によりお客様の方が詳しいような場合も出てきた、つまり、すでに情報の「量」ではインターネットに勝てない状況になりました。そして、技術の進歩により、さらに情報の「早さ」でも凌駕されつつあるということができます。

 こうなると、最後の砦は情報の「正確さ」、あるいは「質」になるでしょう。インターネット上に限らず、情報は常に玉石混淆であり、信頼するに足る情報を集めるにはそれなりの経験や時間を要します。そうした中で価値として評価されるのは、従来の情報源と新しい情報流通形態を活用して玉石を集め、情報を吟味し信頼性を確認して提供することのはずです。我々も記者としての目を養い、取材手法を学び、正確かつ質の高い記事を書こうと日々邁進していますが、それこそが皆様にご愛顧いただくための価値になると信じております。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年2月第4週:2月21日2時〜2月25日18時)
第1位
ニュージーランドで地震発生、クライストチャーチ空港が閉鎖(11/02/22)
ニュージーランド地震で各社催行中止も、政府が調査チームを現地へ派遣(11/02/23)
ニュージーランド、空港閉鎖解除−旅行各社、ツアー再開には慎重姿勢(11/02/24)

第2位
ブリティッシュ・エアウェイズ、羽田に就航−米系2社も運航開始(11/02/21)

第3位
アメリカン航空、羽田路線が好調なスタート、日本航空と連携強化で販売拡大へ(11/02/22)

第4位
KNT、10年度12月期決算は4期ぶりに黒字転換−年金制度見直しや店舗統廃合で(11/02/21)
人事、KNT−役員異動を内定、權田氏と田ヶ原氏が取締役に(11/02/21)

第5位
全日空、「国際線で成長」鮮明に−新経営戦略、B787で羽田発着長距離線も(11/02/25)
全日空とルフトハンザも共同事業へ、ATI申請−下期からの開始ねらう(11/02/24)

第6位
日本航空、燃油サーチャージ値上げで欧米線往復3.5万円−2ヶ月ごと改定へ(11/02/22)
全日空、4月から燃油サーチャージ値上げ−欧米・中東は往復3.5万円に(11/02/24)

第7位
ユナイテッド航空、エコノミープラス継続−12年からコンチネンタル機に導入(11/02/22)

第8位
日本航空、アラスカ夏季チャーター30本運航−静岡発も、6600人送客めざす(11/02/23)

第9位
スカイマーク、エアバスA380購入契約を締結−2014年度に6機受領へ(11/02/21)

第10位
中国南方航空、既存路線延伸で需要拡大はかる−富山、広島、福岡空港で(11/02/24)