DS模擬問題:韓国編 水原市の世界遺産「華城」に託された新都市建設の夢
問 水原華城を建てた李氏朝鮮の国王で、韓国ドラマ『イ・サン』の主人公としても描かれている人物は誰か
A 英祖
B 世宗
C 正祖
D 明宗
――正解は下記へ
ココに注目!
▽予算も人員も破格の超大型国策事業
ソウルから車もしくは電車で約1時間。京畿道水原市には、韓国に10ある世界遺産のうちの1つ、華城がある。華城は、1796年、李氏朝鮮の第22代国王である正祖(在位1776〜1800年)が、行宮(天皇が外出する行幸の際、旅先に設けた仮宮)として建てたものだ。父の思悼(荘獻)世子の祭礼を催すため、父の墓を訪れる際に泊まれるよう造ったとされているが、正祖は上王に退いた後、ここに居を移す計画だったことから、単なる行宮以上の意味を持つ場所であったことがうかがえる。
華城は、全盛期の朝鮮王朝の文化や技術の粋を集めた傑作といっていい。当時の副総理が直接工事を指揮し、特にその城壁には、実学者の丁若(チョンヤギョン)が考案した「挙重機」が使用されるなど高度な技術が投入された。城壁の上には、体を隠して敵を監視しながら攻撃できるよう、いくつもの銃穴が空けられた胸壁が備えられ、城内には北に長安門、南に八達門、東に蒼龍門、西に華西門と、東西南北に城門が作られた。7つのアーチ型水門の上には華虹門という楼閣も建てられている。
工事は、1794年1月から1796年9月までの32ヶ月(実質28ヶ月)、70万人以上が動員され、体系的かつ計画的に行なわれた。もともとの華城の住民は転居させ、城の外郭に貯水池を作り、農地を造成、完成後には王室の親衛部隊兵5000人を配置したとされる。予算、人員ともに、当時としては破格の超大型国策事業。正祖は、ここに新都市の建設を試みていたのである。
▽保存されていた工事報告書をもとに180年後に復元
しかし、正祖は完成4年後の1800年に急逝、計画都市として栄えるはずだった華城はその後、歴史の舞台から姿を消し、朝鮮戦争の動乱などでほとんどが破壊されてしまう。その華城の復元を可能にしたのが、工事報告書「華城城役儀軌」だ。城壁の設計、建物の規格、資材の入手先や用途など、華城の建設に関するすべてが絵付きで記録されており、韓国政府は1975年、この資料に従い、城郭復元事業にとりかかる。そして、1979年までに八達門から東南角楼までの491メートル区間を除く部分を復元。城郭も、華城城役儀軌に従って入手した土で焼いた煉瓦を積み上げ、忠実に再現した。
工事報告書によってかつての文化財が復元された例は、世界でも稀である。華城は、1997年、ソウル市の昌徳宮とともにユネスコ世界文化遺産に登録されたが、登録理由のひとつは、この復元のプロセスにある。
▽見どころも楽しみ方も多彩な華城
正祖は、韓国で最高視聴率38%を記録し、NHKのBShi放送で放映された人気ドラマ『イ・サン』の主人公としても描かれているので、日本でも知る人は多いだろう。華城では『イ・サン』のほか、ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』や映画『王の男』の撮影も行なわれており、映画やドラマのロケ地としても注目を集めている。『イ・サン』ファン向けには、華城観光と龍仁市のドラマオープンセット「MBCドラミア」訪問を組み合わせたロケ地ツアーも可能だ。
華城内では、行宮のみ入場料が必要だ。また、3月から11月の毎週日曜14時から15時には、宮殿や城郭の門で行なった伝統的な軍隊の儀式の1つである壮勇栄守衛儀式が華城行宮正門にておこなわれるほか、武芸の実演などの催しもある。城郭に沿って時計回りで歩けば、蒼龍門、八達門、西将台、華西門、長安門、華虹門を通り、蒼龍門に戻る総長5.7キロメートルのトレッキングも楽しめる。3時間ほどかかるが、ルート上には楼台や楼閣、砲台などの見どころが豊富。ただし、高低差があるので、歩きやすい靴と服装が必須である。

正解:C

A 英祖
B 世宗
C 正祖
D 明宗
――正解は下記へ
ココに注目!
▽予算も人員も破格の超大型国策事業

華城は、全盛期の朝鮮王朝の文化や技術の粋を集めた傑作といっていい。当時の副総理が直接工事を指揮し、特にその城壁には、実学者の丁若(チョンヤギョン)が考案した「挙重機」が使用されるなど高度な技術が投入された。城壁の上には、体を隠して敵を監視しながら攻撃できるよう、いくつもの銃穴が空けられた胸壁が備えられ、城内には北に長安門、南に八達門、東に蒼龍門、西に華西門と、東西南北に城門が作られた。7つのアーチ型水門の上には華虹門という楼閣も建てられている。
工事は、1794年1月から1796年9月までの32ヶ月(実質28ヶ月)、70万人以上が動員され、体系的かつ計画的に行なわれた。もともとの華城の住民は転居させ、城の外郭に貯水池を作り、農地を造成、完成後には王室の親衛部隊兵5000人を配置したとされる。予算、人員ともに、当時としては破格の超大型国策事業。正祖は、ここに新都市の建設を試みていたのである。
▽保存されていた工事報告書をもとに180年後に復元

工事報告書によってかつての文化財が復元された例は、世界でも稀である。華城は、1997年、ソウル市の昌徳宮とともにユネスコ世界文化遺産に登録されたが、登録理由のひとつは、この復元のプロセスにある。
▽見どころも楽しみ方も多彩な華城

華城内では、行宮のみ入場料が必要だ。また、3月から11月の毎週日曜14時から15時には、宮殿や城郭の門で行なった伝統的な軍隊の儀式の1つである壮勇栄守衛儀式が華城行宮正門にておこなわれるほか、武芸の実演などの催しもある。城郭に沿って時計回りで歩けば、蒼龍門、八達門、西将台、華西門、長安門、華虹門を通り、蒼龍門に戻る総長5.7キロメートルのトレッキングも楽しめる。3時間ほどかかるが、ルート上には楼台や楼閣、砲台などの見どころが豊富。ただし、高低差があるので、歩きやすい靴と服装が必須である。

正解:C