アクセスランキング、1位は全日空LCC、年内運航開始へ−2位はエジプト
[総評] 今週の1位は、全日空(NH)が近日中に格安航空会社(LCC)事業の新会社を設立する計画であることをお伝えしたニュースでした。会社名は「A&F・AVIATION(A&Fアビエーション)」で、年内の運航開始に向けて準備を進めることになります。関空を拠点として国内線と国際線を展開する予定で、国際線は飛行時間が4時間以内の路線を想定しているとのことですが、実際にどのような路線網になるのか気になるところです。
また、運賃をNHなど大手の半額程度にする意向であるなど、NHとはまったく異なるビジネスモデルを模索していますが、この進捗も非常に興味深いものです。以前の総評でも書きましたが、最近ではいわゆる「LCC」が上級クラスを用意する一方で「フルサービスキャリア(FSC)」が付加サービスをバラ売りし始めるなど、2つのビジネスモデルが相互に近付く傾向があります。事実、NHも約1年前に国内線での無料の飲み物サービスを廃止していますし、NHのビジネスモデルをどのように差別化するかにLCCの成功がかかっているといえるでしょう。
逆に、NHのLCCが成功すれば、日本の旅行市場が大きく様変わりする可能性もあります。LCCの利用を阻害するネガティブな印象が払拭され、垣根が低くなれば海外系のLCCの利用状況にも波及するでしょうし、そうなれば海外旅行のパイが拡大し、2000万人も見えてくるのではないかと思います。
旅行会社としては、増えたパイをどのようにビジネスに繋げるかが重要な課題になりますが、座席買い取りと標準旅行業約款の取消料規定の関係といった課題もあり、すぐに答えが見つかることはないでしょう。その意味で、日本旅行業協会(JATA)は2月15日の経営フォーラムで「『我が国におけるLCCの行方』〜旅行会社との共生はあり得るか?〜」と題した分科会を開催予定で、ここでの議論にも期待しています。
なお、2位にはエジプトのデモの影響についての記事が入りました。ハイシーズンであることもあって非常に多くの日本人旅行者が現地を訪れており、チュニジアとともに旅行会社と旅行業界は大きな痛手を被りました。ただ、不幸中の幸いで、これまでのところ日本人旅行者で怪我などをされた方がいるとの情報は入っていません。
これは、政府などの取り組みだけでなく、旅行会社の皆様が速やかに安否の確認と安全の確保に取り組まれた成果でもあるでしょう。外務省の方は、FITは「実質的に把握不可能」と話されていましたが、ツアーの「安心感」もれっきとした旅行会社のメリット、付加価値です。インフルエンザ、火山、デモなど毎年どこかで何かしらの問題が発生しますが、事前の備えによる「安心感」を提供可能な体制の構築が肝要ではないかと思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年2月第1週:1月31日2時〜2月4日18時)
第1位
◆全日空、LCC会社名は「A&F・AVIATION」、近日中に設立へ(11/02/02)
第2位
◆エジプト、滞在中の旅行者2000名以上か−渡航延期で各社ツアー催行中止(11/02/01)
第3位
◆アラン、i.JTBと業務提携−トルノスにオプショナルツアーを掲載(11/02/03)
第4位
◆全日空、羽田国内線利用者向けキャンペーンを実施−京急と共同で(11/01/31)
第5位
◆羽田国内線コードシェア比率の上限見直しへ−国交省がパブコメ実施(11/01/31)
第6位
◆アリタリア−イタリア航空、Cクラスの機内食で各州の郷土料理を提供(11/02/01)
第7位
◆国交省航空局、日本航空に厳重注意−脱出用スライド整備作業不適切の疑いで(11/02/01)
第8位
◆ベトナム航空、成田/ダナン線を運休−気象変動大きく安全運航を優先(11/02/02)
第9位
◆マカオ、2010年の日本人訪問者数は9.0%増−40万人を達成(11/02/02)
第10位
◆オークラとJALホテルズ、顧客プログラム特典を相互提供−ポイントも付与(11/02/01)
また、運賃をNHなど大手の半額程度にする意向であるなど、NHとはまったく異なるビジネスモデルを模索していますが、この進捗も非常に興味深いものです。以前の総評でも書きましたが、最近ではいわゆる「LCC」が上級クラスを用意する一方で「フルサービスキャリア(FSC)」が付加サービスをバラ売りし始めるなど、2つのビジネスモデルが相互に近付く傾向があります。事実、NHも約1年前に国内線での無料の飲み物サービスを廃止していますし、NHのビジネスモデルをどのように差別化するかにLCCの成功がかかっているといえるでしょう。
逆に、NHのLCCが成功すれば、日本の旅行市場が大きく様変わりする可能性もあります。LCCの利用を阻害するネガティブな印象が払拭され、垣根が低くなれば海外系のLCCの利用状況にも波及するでしょうし、そうなれば海外旅行のパイが拡大し、2000万人も見えてくるのではないかと思います。
旅行会社としては、増えたパイをどのようにビジネスに繋げるかが重要な課題になりますが、座席買い取りと標準旅行業約款の取消料規定の関係といった課題もあり、すぐに答えが見つかることはないでしょう。その意味で、日本旅行業協会(JATA)は2月15日の経営フォーラムで「『我が国におけるLCCの行方』〜旅行会社との共生はあり得るか?〜」と題した分科会を開催予定で、ここでの議論にも期待しています。
なお、2位にはエジプトのデモの影響についての記事が入りました。ハイシーズンであることもあって非常に多くの日本人旅行者が現地を訪れており、チュニジアとともに旅行会社と旅行業界は大きな痛手を被りました。ただ、不幸中の幸いで、これまでのところ日本人旅行者で怪我などをされた方がいるとの情報は入っていません。
これは、政府などの取り組みだけでなく、旅行会社の皆様が速やかに安否の確認と安全の確保に取り組まれた成果でもあるでしょう。外務省の方は、FITは「実質的に把握不可能」と話されていましたが、ツアーの「安心感」もれっきとした旅行会社のメリット、付加価値です。インフルエンザ、火山、デモなど毎年どこかで何かしらの問題が発生しますが、事前の備えによる「安心感」を提供可能な体制の構築が肝要ではないかと思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年2月第1週:1月31日2時〜2月4日18時)
第1位
◆全日空、LCC会社名は「A&F・AVIATION」、近日中に設立へ(11/02/02)
第2位
◆エジプト、滞在中の旅行者2000名以上か−渡航延期で各社ツアー催行中止(11/02/01)
第3位
◆アラン、i.JTBと業務提携−トルノスにオプショナルツアーを掲載(11/02/03)
第4位
◆全日空、羽田国内線利用者向けキャンペーンを実施−京急と共同で(11/01/31)
第5位
◆羽田国内線コードシェア比率の上限見直しへ−国交省がパブコメ実施(11/01/31)
第6位
◆アリタリア−イタリア航空、Cクラスの機内食で各州の郷土料理を提供(11/02/01)
第7位
◆国交省航空局、日本航空に厳重注意−脱出用スライド整備作業不適切の疑いで(11/02/01)
第8位
◆ベトナム航空、成田/ダナン線を運休−気象変動大きく安全運航を優先(11/02/02)
第9位
◆マカオ、2010年の日本人訪問者数は9.0%増−40万人を達成(11/02/02)
第10位
◆オークラとJALホテルズ、顧客プログラム特典を相互提供−ポイントも付与(11/02/01)