アクセスランキング、1位は「鶴丸」、大手各社の上期商品も

  • 2011年1月22日
[総評] 今週のアクセスランキングは、日本航空(JL)の新しい企業理念についての記事が1位になりました。もともと日系航空会社のニュースはアクセスが多いですし、新しいロゴマークとして赤い鶴のマーク、通称「鶴丸」を復活すると発表して業界外でも大きな注目を集めていましたので、順当な結果といえそうです。

 JLウェブサイトによると、「鶴丸」はJLが国際線を開設した1954年に使われ始め、2008年まで使用されていたそうです。実に半世紀以上の間、日本の海外旅行のそばには鶴丸があったことになります。JL社長の大西賢氏は会見で「過去への回帰では決してない」と話され、「原点」、「初心」を忘れずに生まれ変わる姿勢を強調されていますが、旅行業界の中には懐かしく思われる方、あるいは望郷の念に似た思いすら抱かれる方も少なくないのではないかと思います。

 ロゴや新企業理念などが、お客様からどのように認識されるかはまだ分かりません。しかし、大西氏は先日掲載したインタビュー(リンク)の中で、ここまでの再建の取組みについて「当初考えていたことを期限内にできつつあると感じている」と話されました。整理解雇などもあって単純な話ではありませんが、個人的にはやはり生まれ変わった「鶴」が再び高く飛び立つ姿に期待したいと思います。

 今週はこのほか、近畿日本ツーリスト(KNT)、ジャルパック、ANAセールスが上期の募集型企画旅行商品を発表し、アクセスランキングにも入っています。先週はジェイティービー(JTB)と日本旅行の記事を掲載しましたが、内容については、「価値」「質」「満足」など言葉は異なるものの、各社がそれぞれの方法で消費者目線の重視を打ち出しています。業界環境が変化する中でのこうした路線は大いに歓迎されるべきものでしょう。

 もちろん、それぞれの取り組みがお客様の心をつかむことができるかはふたを開けてみなければわかりないものですが、試してみなければ何が良くて何が悪いのかも分かりませんし、動かなければ何も変わりません。

 懸念すべきは内容で競っているはずが、需要の奪い合いでいつの間にか値引き合戦になってしまうことです。内容の充実はコスト増を伴いますから、その状態での価格競争は業界全体に悪影響を及ぼすように思います。今のところ、JLの減便の影響を受けるジャルパックを除けば、各社とも総じて2010年度の見込みを上回る取扱人数を目標に掲げています。2011年度、お客様の支持を最も獲得するのはどの会社か、「価値競争」に大いに期待したいと思います。(松本)




▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2011年1月第3週:1月17日2時〜1月21日18時)
第1位
日本航空、新企業理念策定−新ロゴマークで「鶴丸」復活も(11/01/20)

第2位
ジャルパック、国内ブランド統一で相乗効果−上期商品、「顧客本位」継続(11/01/18)

第3位
チャイナエアライン、関空/ニューヨーク線就航へ−4月29日から週3便で(11/01/19)

第4位
新ユナイテッド航空、日本路線は維持、拡大へ−従来の営業戦略に固執せず(11/01/19)

第5位
阪急交通社、国内ツアーで不当表示、北米産ウニを「北海道礼文産」(11/01/17)

第6位
エティハド航空、11年度は欧州線中心に増便−成田線機材変更も(11/01/17)

第7位
JALグ、11年度路便計画で羽田/ホノルル線大型化−羽田発着国内6路線を増便(11/01/21)

第8位
ANAセ、上期商品は高品質でブランド強化−海外商品全コース旅行保険付きに(11/01/19)

第9位
KNT、上期ホリデイは8%増22万人めざす−LCC利用は「計画なし」(11/01/21)

第10位
全日空、11年度の国際線供給量は17.4%増へ、成田/成都線など積極展開(11/01/19)