JATA金井会長、2011年は基盤を固める年−需要創出の取り組み強化はかる

金井氏は個人的な見解としながらも、過去を振り返ると10年で大きな流れがあることから、2011年を21世紀の第2の10年のトレンドを固める年と位置づけ、「今年は基調を決める年。そうした意味合いからも、上向きのトレンドをぜひキープしていきたい」と意欲を示した。さらに、景気の動向や社会保障、雇用問題など不透明な要素はあるが「明るい要素を見つけ、それを有効活用しながら需要増に向かって色々取り組んでいくのが重要」とし、会員各社と共に環境の変化に左右されない方法を模索していくべきとの考えをみせた。
2011年の一番大きなテーマとして、金井氏は需要創出の取り組みのさらなる強化をあげた。海外旅行に関してはビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)を2011年も継続。金井氏は「目標として設定していた2010年の2000万人は達成しなかったが、3年の取り組みはそれなりの効果があった」と活動を評価。2010年は前年比8%前後の伸びで1600万人台に着地する見込みとし、2011年は「少しきついが2000年の1780万人並に戻すことを意識する。それくらいの意気込みで取り組んでいく必要がある」と意欲を述べた。
国内旅行については「もう一泊、もう一度(ひとたび)」キャンペーンを引き続き実施する。金井氏は「長期的に見て停滞気味であることから、活を入れるべき」とし、「インバウンドはもちろん、全ての面で上昇気流に乗せていく努力をしていく必要がある」と述べた。
さらに、事業環境の変化への対応として、会員企業が状況の変化に対応できるための環境整備をしていくとし、一例として標準旅行業約款の改正を挙げた。金井氏によると、募集型企画旅行の取消料に関する見直しなどの改正の要望を現在取りまとめたところだといい、今後も取り組みを継続していくという。
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