2011年の海外旅行者数は4%増、羽田国際化が需要を喚起−JTB予想

  • 2010年12月20日
 ジェイティービー(JTB)がこのほどとりまとめた2011年の旅行市場についての調査によると、2011年の海外旅行者数は2010年推計値の1668万人と比べて3.7%増の1730万人になる見込みだ。円高が継続すると予測され、旅行先でメリットを享受できる状況が続くことが海外旅行を後押しするという。

 また、羽田国際化により、2010年10月時点で1週間あたりの首都圏発の航空座席数が前年から約2万1000席増えていることも需要を牽引すると予測。特に、羽田発台湾、タイ、シンガポールが大きく増加したほか、韓国、香港、中国への座席も増えていることから、首都圏発アジア方面を中心に需要が拡大すると見る。さらに、格安航空会社(LCC)の乗り入れが活発化することで選択肢が増え需要を喚起すると予測した。

 海外旅行での消費額は、円高の影響や近場の方面が伸びることから1.9%減の25万6000円を予測。ただし、旅行総消費額は人数が伸びるため1.8%増の4兆4300億円とプラス成長する予想だ。

 一方、国内旅行者数は、2010年推計値と比べて1.2%増の3億200万人の見込み。来年は3連休が増加し、GWの日並びも良いことから、需要の根強い温泉旅行の増加や高速道路の休日割引が継続するなどし、休日の旅行が堅調に推移すると予想。さらに、新幹線の延伸により青森や鹿児島などが注目を集め遠距離の旅行が増加すると予測。東北新幹線の「はやぶさ」も運転開始となり、鉄道利用の旅行が拡大するという。平均消費額は0.6%増の3万2200円、国内旅行総消費額は1.7%増の9兆7200億円とした。

 このほか、訪日旅行では、羽田国際化で便数が増加した東アジアからの訪日客を中心に拡大し、5.7%増の920万人となる予測だ。

 なお、海外旅行消費額は旅行費用のほか、現地での買い物代、食事など現地消費分を含めたもの。携行品の購入など旅行前後の消費は含まない。また、国内旅行消費額も同様で、自宅を出発してから帰宅するまでの総費用。