阪急交通社・生井社長、業績「計画通り」−消費者目線強化でシェア拡大へ

  • 2010年12月16日
 阪急交通社代表取締役社長の生井一郎氏は12月15日に本誌インタビューに応じ、中期経営計画でめざす目標に向けて、順調に歩を進めていると説明した。2010年は、本格的な景気回復が見られない中で欧州の火山や尖閣問題、韓国の砲撃事件などの影響を被ったものの、取扱人数は通年で1%程度の増加となる見通し。前年比の数値は小さいが、阪急交通社は2009年に新型インフルエンザ禍の中で他社に先駆けて回復していたため、生井氏は「1%、2%でも非常に大きい」と説明。取扱額の面でもレギュラー商品が好調なため、単価が上昇しているという。

 一方、2011年の予測として、すでに販売を開始した4月以降の欧州ツアーの予約は好調としつつ、「今は国内、海外ともに市場が大幅に拡大するような時代ではない」と分析。その上で、シェア拡大が目標になるとし、消費者目線を重視した「選ばれる商品作り」をさらに強化する方針を示した。特に品質と安全性に重点をおく考え。また、航空会社の機材小型化などもあり、商品化に際してはチャーター便の積極化も「避けて通れない」との考えだ。さらに、2011年4月にはウェブサイトをリニューアルし、新聞広告や会報誌とのクロスチャンネルでの販売を強化する計画という。

 このほか、今年4月の阪神航空との経営統合の際に分社化した阪急阪神ビジネストラベルについては、「取扱額はあがったものの、ゼロコミッションの影響で収益は減少した」と説明。コミッションの復活が望めない中で、「状況に対応した方法を考えるしかない」とし、施策を準備していると語った。また、阪神航空フレンドツアーについては、「結果論としてトラピックスに比べれば少し不振」であったものの、堅調な推移であったとコメント。すでに「(トラピックスなど他ブランドとの)違いもわかってきた」とし、今後はメディア販売や説明会の開催など新たな販売手法も検討する考えを示した。

 なお、インタビューの詳細は後日掲載する予定だ。