伊・ブルーパノラマ航空、来夏に羽田と地方からチャーター便

  • 2010年12月3日
 ローマを拠点とするイタリア第4位の航空会社ブルーパノラマ航空(BV)は、来年6月から9月にかけて、羽田空港をはじめ主要地方都市からイタリアへのチャーター便を運航する。使用機材はボーイングB767-300ER型機で、座席数はビジネスクラス12席、エコノミークラス256席。合計で10便から18便の運航を計画中で、このチャーター便の実績を足がかりに将来的には定期便化をめざす考えだ。

 来日したBV販売担当副社長のレーモ・デッラ・ポルタ氏は記者懇談会で、「日本航空(JL)がミラノ線から撤退したが、日本人のイタリアへの旅行需要は依然として高く、日本の旅行会社からの引き合いも多い。我々のフライトがその足として貢献できるはず」と述べ、日本市場に大きな期待感を示した。同航空は2006年にも羽田を含め日本の地方都市からのチャーター便を運航。今回、羽田が24時間国際化されたことから、新たな旅行スタイルが可能になるとしている。

 現在のところ、羽田便について深夜早朝時間帯枠を利用して、羽田を土曜日の深夜2時に出発し、ミラノあるいはローマに金曜日の朝5時頃に到着、復路はイタリアを朝10時頃に出発し、朝6時前に羽田に到着するスケジュールを計画している。BVゼネラル・マネージャーの栗原宗利氏は羽田就航の意義について、「まずはBVのプロモーションの意味合いが強い。そのほか、羽田の持つ利便性も考慮した。特に土曜日の夜中出発なので、幅広い層の旅行客にアピールできる」とした。来年はイタリア統一150周年にあたることから、そのプロモーションと合わせて日本市場の開拓に乗り出していく意向だ。

 羽田に加えて、名古屋、沖縄、松山、岡山、静岡、茨城などの地方空港からのチャーター便も予定。イタリアの就航地はまだ未定だが、水戸とボローニャ、静岡とリエティーなど姉妹都市の交流をからめた企画も進めていきたい考えだ。また、栗原氏は地方空港発のチャーター便について、韓国の仁川空港に立ち寄り、韓国人旅行者をピックアップするプランも明かす。このほか、イタリアからの訪日旅行者の取り込みにも意欲的だ。

 現在、BVでは商品造成について大手旅行会社や地方の旅行会社、新聞社系旅行会社との話を進めているところ。また、ITCチャーターの規制が緩和されたことから、個札販売にも力を入れていく考えで、「1便で10%ほどは個札で売れるのではないか」(栗原氏)との見通しだ。

 なお、BVは1998年に設立。欧州各地のほかアジアではバンコクにも定期便を運航している。日本では、ワールド・アビエーション・ネットワークがGSAを務めている。