JATA海旅委、VWC存続の方針固める−訪日と両輪で海外旅行促進を継続

 日本旅行業協会(JATA)は11月25日に海外旅行委員会を開催し、ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)を継続する方針を固めた。これまで3年間継続して一定の成果を得られているほか、政府がビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)でインバウンドに積極的に強化する中で、ツーウェイ・ツーリズムの観点から取り組みを継続する意義があると判断した。組織体制や予算、運営のあり方は未定だが、12月17日の役員会に向けて具体化を進める。

 活動の規模は現状を維持したい考えだが、予算はこれまでの3年間よりも絞られるとの見方。このため、これまでと同様、会員旅行会社から出向を受けることのほか、外部からの協賛を募ることも検討する。また、VWCのパートナーになり得る政府観光局や航空会社とJATA世界旅行博の営業先が近いことや、海外旅行促進の面で海外旅行業務部と活動範囲が重なる部分があることから、JATA内部での連携と協力体制もさらに強化したい考えだ。

 なお、VWCは現行の観光立国推進基本計画でも掲げられる日本人出国者数2000万人の達成に向け、2008年度から取り組みを始めたもの。VWC2000万人推進室長の澤邊宏氏のもと、当初は9ヶ国・地域を重点デスティネーションとして活動を開始し、2010年度下期には23ヶ国・地域に拡大。それぞれのデスティネーションで旅行会社や航空会社、現地サプライヤーなどからなるワーキンググループを設置し、需要喚起策の検討や旅行商品の開発促進、研修旅行やセミナーの充実などを進めてきた。また、平行してパスポート取得促進など地方活性化や、消費者向けのダイレクトマーケティング、メディア露出などにも取り組んできた。