10月の出国者数は5%増−訪日は尖閣影響もJNTO理事長「継続性が重要」

また、訪日外客数も11.0%増の72万人と増加。12ヶ月連続のプラス成長で、通年の累計も732万8300人となった。特に韓国が47.8%増の19万3900人と好調であったほか、ユーロ安が続くなかドイツが21.0%増の1万5300人となるなど、欧州の主要市場はプラス成長した。
一方、尖閣諸島の問題が影響した中国市場は1.8%減の10万6400人と9ヶ月ぶりに減少。香港も23.7%減の3万400人と落ち込んだ。JNTO理事長の間宮忠敏氏は11月24日の会見で、「今年は中国に飛躍的な伸びを期待し、9月までは大変順調に伸びてきただけに、まことに残念」とコメント。その上で、「外部環境の影響を極小化して、その後につなげる対応が重要」とし、理事長名で中国市場向けに歓迎のメッセージを発信するなどしていることを説明した。
また、中国市場は今後も政治的な要因で訪日客数が左右される可能性があるものの、「こういうことがあってもキャンペーンやプロモーションの継続性は非常に重要」との考えを説明。その上で、「観光は平和へのパスポートといえるものであり、日中両国があらゆる面で良好な関係を維持していくためにも、その基盤である民間交流、観光交流による国民の相互理解の一層の増進が望まれている」とし、「長期的には中国が日本のインバウンドにとって大変重要であり、これからも最も拡大が期待される市場であることにはいささかの変わりもない」と強調した。
なお、10月までの訪日外客数の累計は30.9%増の732万8300人。間宮氏は「このままいけば過去最高であった2008年の835万人の訪日客数を更新することはほぼ間違いない」とし、「あと1ヶ月と少しだが、1000万人実現の旗のもとで1人でも多くの訪日客を誘致できるようJNTOとしては最後まで全力をつくす」考えを示した。