アクセスランキング、スカイマークのA380が1位、燃油サーチャージも

  • 2010年11月13日
[総評] 今週は、スカイマーク(BC)のエアバスA380型機導入についての記事が1位になりました。A380型機は、標準仕様での座席数が3クラス構成で525席、モノクラスであれば853席と、まさに“スーパージャンボ”といえます。日本にもシンガポール航空(SQ)を皮切りにルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、エールフランス航空(AF)が投入しており、ライバルのボーイングが“ドリームライナー”と呼ばれるB787型機の納入に手間取っているすきに、着実に旅行者の支持を獲得してきました。先ごろに発生したカンタス航空(QF)のエンジン破損事故など懸念はあるものの、日本人の乗物好きを考えると、スカイマークの選択は一般的な新機材の導入以上の効果をもたらす可能性もありそうです。

 興味深いのは、BCが現在のところ整備費用削減などの目的で機材をB737−800型機に統一していることです。また、A380型機を小型機による短距離、中距離路線の多頻度運航は、いわゆるLCCのビジネスモデルの典型的な要素で、BCも同様の運航形態をとっています。これに対してA380型機の導入は、「国際線」「長距離」「大型機」といずれも新しい動きにつながるもので、BCがどのような青写真を描いているのか注目しています。

 また、ランキングでは日本航空(JL)の燃油サーチャージのニュースも入っています。今回は設定額に変更はありませんでしたが、燃油価格自体は値上がり傾向にあることも気になります。例えば昨年の11月第1週と今年の10月最終週で比較すると、約12%の上昇です。このまま行けば、4月以降は値上がりするはずで、ようやく少し持ち直した旅行需要が冷え込みはしないかと懸念しています。

 国土交通省航空局は、10月末に発出した国際線運賃の上限認可制への移行に関する通達で、燃油サーチャージの存続を認めている一方、表示方法について言及しています。ただし、「運賃以外に、すべての旅客又は荷主
が一律に課される特別付加運賃、料金、公租公課等」がある場合は、「別に定めるところにより、運賃にこれらの費用を加えた総額及びその内訳を、明確に表示するものとする」(太字強調は引用者)とし、来年4月まで議論の余地を残しました。

 個人的には、上限認可制に移行する時点で運賃設定の自由度が増すわけですから、燃油価格の変動も踏まえて運賃の幅を設定できるのではないかと思ってしまいますが、実際のところはそんな単純な話ではないのかもしれません。しかし、需要が落ち込んでしまっては元も子もありません。どのような表示方法に落ち着くにせよ、少なくとも消費者に不信感を抱かせない、航空会社だけでなく消費者も(そしてそれによって旅行会社も)納得できる形が選ばれることを祈っています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年11月第2週:11月8日2時〜11月12日18時)
第1位
スカイマーク、A380導入へ−国際線用、長距離大量輸送で低価格実現へ(10/11/09)

第2位
ユナイテッド航空の新塗装の航空機が成田に初飛来、CO009便で(10/11/11)

第3位
KLMオランダ航空、成田/アムステルダム線週10便運航開始−羽田就航に意欲(10/11/08)

第4位
エアバスA380、SQ・LH・AFは運航−QFは顧客サポート急ぐ(10/11/08)

第5位
羽田特集:航空会社の戦略(2)外航、深夜早朝発着で未知のビジネスに挑む(10/11/09)

第6位
JTB、ブランド価値向上へ戦略を推進−専門部署立上げで継続的取組みを(10/11/08)

第7位
マカオ航空、成田/マカオ線を週4便へ増便−2011年1月から3月末まで(10/11/08)

第8位
日本航空、燃油サーチャージ据え置き−ケロシン価格は上昇傾向(10/11/10)

第9位
JTB、海外送金サービス開始−15年度に取扱い100億円めざす(10/11/11)

第10位
オーストリア航空、ビジネスクラス機内食の質に自信、旅行会社にプレゼン(10/11/10)