CXタイラーCEO、羽田線の成功に自信−座席供給量16%増、沖縄線も就航へ

  • 2010年11月4日
 キャセイパシフィック航空(CX)CEOのトニー・タイラー氏は11月2日、記者懇親会の場で「羽田/香港線が好評を博すると確信している」と語った。タイラー氏は羽田空港の利便性が高いことに加え、「確保できた発着時間も素晴らしい」と言及。また、CX日本支社長のサイモン・ラージ氏も「景気は不確実だが、羽田路線によりビジネスと観光の発展のために貢献したい」と意欲を示した。

 CXは羽田から2本、成田から5本、合計7本を東京/香港間に設定するほか、冬スケジュールから関空線を増便。さらに、今後は香港ドラゴン航空(KA)による福岡線の再開と仙台への季節便の運航も予定している。これらにより、2011年の日本路線は6都市から118便、座席供給量は前年比16%増、座席数は1週間あたり7万席に拡大する見込みだ。沖縄線に週2便で就航する計画もあり、ラージ氏は「今後も日本でのビジネス拡大の努力を続ける」と語った。

 こうした積極的な展開の背景には、日本発、香港発ともに需要を見込めることがある。2010年1月から9月までの累計で、香港への日本人訪問者数は11.9%増の98万2890人となっており、香港からも日本政府観光局(JNTO)の数値では推計値を含めて24.9%増の約40万8200人。タイラー氏によると、CXは路線展開を決定する際、「ファーストクラスとビジネスクラスの旅客が見込めること、安価な運賃であったとしてもエコノミークラスが満席になること、貨物室が一杯になること」の3点を等しく重視するという。

 なお、タイラー氏は、25年前に自身が日本支社で勤務した際の路線が全国で3都市、東京も1日3便のみであったと述懐し、現在までの規模に拡大したことについて「日本は非常に重要、かつ特別な市場」であると説明。そして、「CXの現在の成功の基礎は、日本路線で積み上げたもの」とし、「今このように日本路線を強化するタイミングでCXの舵取りを任されることは、私にとって特段の喜び」と語った。