ANAグ、第2四半期は最終利益132億円で黒字転換−通期予想も上方修正

航空運送事業は、売上高が13.3%増の6117億9400万円、営業損益が514億9100万円の黒字(287億4300万円の赤字)。このうち国際線旅客事業の売上高は40.5%増の1418億6700万円。アイスランドの火山噴火やタイの政情不安による一時的な影響はあったものの、成田/ミュンヘン線開設や上海万博開催にあわせた旅行商品の提供が奏功した。国際線旅客数は19.0%増の260万1574人と全方面で前年を上回り、旅客単価も18.1%増と大幅に上昇した。また、国内線旅客事業は売上高が2.5%増の3325億4100万円。「スーパー旅割」の拡充などにより旅客単価は1.2%下がったものの、ビジネス、レジャーともに需要が堅調に推移したため増収となった。
ANAセールスを含む旅行事業の売上高は2.9%減の850億6800万円と前年を下回った一方、営業損益は26億円の黒字となり前年の6億円の赤字から改善した。募集型企画旅行の収入は、海外旅行が3.0%増の117億6000万円、国内旅行が2.4%減の678億5900万円であった。
▽通期予想を上方修正、最終利益は60億円
また、通期の業績予想を上方修正。急激な円高の影響や日本経済のデフレ状況など懸念材料はあるものの、引き続き需給適合しながら競争力強化、需要喚起につとめるとともに、国際線旅客事業での羽田国際化を積極的に活用する。2011年3月期連結業績予想は、売上高を前回予想から1.3%増の1兆3770億円、営業利益を66.7%増の700億円、経常利益を184.6%増の370億円、最終利益を20.0%増の60億円とした。
なお、羽田の国際展開が与える収入面への影響について、全日空(NH)専務取締役執行役員の日出間公敬氏は、「計算の仕方にもよるが09年度に比べて200億円強あがるのではないか」と述べた。また、国際線旅客収入のうち羽田の占める割合は、09年度が8%であったところから10年度は14%程度に上昇するとみている。